「患部」へのアプローチだけで、その痛みは改善しましたか?
脳科学とBPSモデルで、「痛みの予測」を書き換える3ヶ月間。
なぜ、あなたの臨床は「痛み」の前で立ち止まってしまうのか
日々、このような悩みを感じていませんか?
- 画像所見と患者さんの訴える痛みの場所や程度が一致しない。
- 「痛いから動きたくない」という恐怖回避思考を、うまく変容させられない。
- 徒手療法で一時的に良くなっても、次回の来院時には戻っている。
- 良かれと思ってかけた言葉が、逆に患者さんを不安にさせた気がする(ノセボ効果)。
その原因は、あなたの技術不足ではありません。
「痛み=組織の損傷(Input)」という、古い概念で見ているからです。
最新の神経科学において、痛みとは損傷の量ではなく、脳が過去の記憶・情動・文脈を統合して生み出す「出力(Output)」であると定義されています。
本講座「THE Pain」は、このメカニズムを根底から理解し、明日からの臨床推論を変えるためのプログラムです。
本講座で得られる3つのスキル
最新のIASP定義、ニューロマトリックス理論、予測符号化、そしてナラティブ。
あやふやな精神論ではなく、エビデンスに基づき「痛み」を再定義する集中講座です。
① 最新の「痛み分類」による的確な病態解釈
侵害受容性疼痛だけでなく、神経障害性疼痛、そして第3の痛みである「痛覚変調性疼痛(Nociplastic Pain)」のメカニズムと鑑別方法を習得します。アロディニアや痛覚過敏がなぜ起きるのか、その神経生理学的背景を理解できます。
② 「脳の予測」を変える介入戦略
脳は常に未来を予測し、実際の感覚とのズレ(予測誤差)を修正しています。予測符号化(Predictive Coding)の理論に基づき、患者さんの誤った予測モデル(動くと壊れる、という思い込み)を書き換えるための具体的なアプローチを学びます。
③ 患者を動かす「ナラティブ・アプローチ」
単なる問診ではなく、患者自身の物語(ナラティブ)を傾聴し、意味づけを再構築します。Skill / Will / Thrill の3要素を用いた患者教育(PSE)により、患者さんが自ら痛みをマネジメントできる力を育てます。
3日間の学習テーマ:3ヶ月で「痛み」のスペシャリストになる
本コースは、理論と実践のギャップを埋めるため、以下の専門的なトピックを3日間かけて体系的に学びます。
Day 1:痛みの基礎と多角的な評価
〜「感覚」から「体験」へ。痛みの解像度を上げる〜
痛みの全体像を把握し、正確な評価を行うための土台を築きます。「この疾患=このアプローチ」という考えから脱却する第一歩です。
- 痛みの再定義(IASP 2020):「感覚かつ情動の不快な体験」としての痛みを理解し、生物心理社会(BPS)モデルへ思考を転換する。
- 痛みの多面性:「感覚-識別」「意欲-情動」「認知-評価」の3側面から痛みを分解し、どの側面が問題なのかを評価する。
- 恐怖回避モデル(Fear-Avoidance Model):「破局的思考」がいかにして不活動や鬱、能力障害へつながるかの負のループを理解する。
- 痛みの3分類と鑑別評価:侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛(PainDETECT等)、痛覚変調性疼痛(4つの必須要件と併存症による判定)。
- 評価バッテリーの実践:VAS/NRSだけでなく、PDAS(機能)、PCS(破局的思考)、TSK(動作恐怖)、PSEQ(自己効力感)などの活用法。
Day 2:慢性化のメカニズムと脳内プロセス
〜なぜ痛みは続くのか?神経科学で紐解く〜
痛みがなぜ長期化するのか、その核心に迫ります。患者さんの認知や情動に働きかける具体的な手法を学び、アプローチの引き出しを増やします。
- 痛みの伝導路と脳領域:外側系(一次痛:体性感覚野)と内側系(二次痛:島皮質・扁桃体・前帯状回)の役割。
- 感作(Sensitization)のメカニズム:末梢性感作(一次痛覚過敏)と中枢性感作(二次痛覚過敏・アロディニア・Wind-up現象)。
- ニューロマトリックス理論:痛みは脳内の広範なネットワーク(Body-Self Neuromatrix)からの出力であるという理論とその臨床応用。
- 予測符号化とContext(文脈):「この動作は痛いはずだ」という予測が、いかにして実際の痛みを増幅させるか(Context-sensitive Pain)。
- DMN(デフォルト・モード・ネットワーク):慢性疼痛患者におけるDMNと島皮質の結合異常について。
- 皮膚受容器とCT線維:情動に働きかける「CT線維(C触覚線維)」をターゲットにしたタッチングとオキシトシンの関係。
Day 3:統合的アプローチと臨床実践
〜「知識」を「技術」へ。行動変容を促す介入〜
学んだ知識を統合し、明日からの臨床で実践できる形に落とし込みます。運動、栄養、睡眠など、生活全体を視野に入れたアプローチを習得します。
- 疼痛抑制系の賦活:下行性疼痛抑制系(DPMS)や内因性オピオイドをどう活性化させるか。抑制が働きやすい条件・働きにくい条件。
- 運動による鎮痛(EIH: Exercise-Induced Hypoalgesia):健常者と慢性疼痛患者での反応の違い、適切な負荷設定とリスク管理。
- 睡眠と痛みの双方向性:睡眠障害が痛覚過敏を引き起こすメカニズム。入浴、光、カフェイン(半減期)などの具体的指導。
- 患者教育(PSE: Pain Science Education):「痛み=損傷」の誤解を解く対話法。教育の3要素(Skill, Will, Thrill)。
- ナラティブと行動実験(Behavioral Experiment):「動くと壊れる」という患者の信念を、実際の動作を通じて検証・修正する手法。
- 臨床推論の5ステップ:分類推定 → 入力評価 → 意味づけ評価 → 中枢処理の変容 → ナラティブ再構築。
*講義内容はより良いものにするため変更になることがございます。
「治せるセラピスト」から、「支えるセラピスト」へ。
私たちは長年、「組織」を治すことに注力してきました。しかし、慢性疼痛の多くは、組織の問題だけでは説明がつきません。
患者さんの脳内で起きている「痛みの情報処理プロセス」や、背景にある「人生の文脈(ナラティブ)」に触れなければ、本当の意味での解決には至らないのです。この講座でお伝えするのは、単なるテクニックではありません。
「痛み」という現象を科学的に捉え直し、患者さんと対等なパートナーシップを築くための「新しい臨床の基礎」です。明日からの臨床で、患者さんの「表情」と「行動」が変わる瞬間を、一緒に体験しませんか?
開催概要
| 講座名 | 痛みを基礎から学んでいきたい人のための「THE Pain」3日間コース |
|---|---|
| 日程 | 第4期 2025年 10月19日, 11月16日, 12月14日(日) |
| 時間 | 9:30 〜 16:30 |
| 会場 | ウィリング横浜 オフィスタワー 〒233-0002 神奈川県横浜市港南区上大岡西1丁目6−1 |
| 定員 | 24名 |
| 参加費 | 49,500円(税込) ※養成校学生は受講料が半額となります。 |
| 参加資格 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、養成校学生 |
| 持ち物 |
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| 主催 | 療法士活性化委員会 |

