移動形態の決定基準について from リハコヤ

移動形態の決定基準について from リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

今回は移動形態の決定基準についてお伝えしていきます。

 

以前、「みんな移動形態ってどのように決定しているんだろう?」という質問をいただきました。

経験を重ねるとだんだんとわかってくることが多いのですが、それは曖昧な基準ですよね。

エビデンスがなく周りが納得できなかったり、経験がない新人さんにはわかりにくかったりすると思います。

 

本日は私の推奨する基準をお伝えしていきます。

 

私が使用していた基準が、『理学療法におけるバランスの捉え方』です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/32/4/32_KJ00003799829/_article/-char/ja/

 

文献図2より引用

 

こちらは20秒間立位保持可能な直立検査肢位と歩行能力との関係を表すものです。

 

この表を見ていくと、

「立位保持不能」「開脚位+両手支持」で20秒間立位保持可能の場合は移動不能、かなり介助を要するということになります。

一方で、「開脚位+片手支持」で20秒間立位保持可能の場合は平行棒内歩行可能、トイレでは方向転換時介助が必要になってきます。

さらに「開脚位」で20秒間立位保持可能であれば、トイレも見守りでできると考えられます。

「閉脚位」で20秒間立位保持可能であれば、屋内監視歩行レベルとなります。

平行棒内歩行は自立だけど屋内歩行は難しいというような場合も多いと思いますが、その基準は閉脚位か開脚位で20秒保てるかどうか、ということになってきます。

「ステップ位」で20秒保てれば屋内監視歩行または屋内歩行レベル、

「継ぎ足位」で20秒保てれば屋内歩行は可能または屋外歩行見守りレベル、

「片脚立位」で20秒保てれば屋外歩行レベルということになります。

文献上しっかりとデータが取られているものですので、利用しやすいと思います。

 

こちらを利用すれば簡単に、かつ安全に移動形態を決めることができるようになります。

 

この基準は、支持基底面をだんだん狭めています。

なので、支持基底面内に重心が保持するだけの筋力やバランス、可動域があるかないかがわかってきます。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

まとめ

移動形態の決定基準について

  1. 移動形態は20秒間の立位保持能力を参考にする
  2. 継ぎ足位20秒で屋内歩行、片脚立位20秒で屋外歩行レベル
  3. バランスは支持基底面の広さとその中に重心を維持する可動域と筋力をみる

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