毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は慢性疼痛と急性疼痛についてお話ししていきます。
みなさんは慢性疼痛と急性疼痛は分けて考えていますか?
疼痛と湿布薬について
湿布の用法用量を読んだことはありますか?
湿布は抗炎症薬、炎症が起きている状態を抑える薬です。
例えば、どこかにぶつけてズキズキして腫れている状態、つまり血流が多すぎる状態の部位に湿布を貼ると有効です。
では、逆に慢性疼痛に対して湿布を貼るのはどうでしょうか?
慢性疼痛になる原因は様々ですが、炎症ではありません。血流が悪い状態の慢性疼痛に対して抗炎症薬である湿布を貼ると、余計に血流が悪くなってしまいます。これでは痛みが取れるはずがありません。
慢性疼痛ガイドラインでは、急性疼痛は侵害受容器の興奮が起きている状態とされています。
急性疼痛を繰り返す慢性疼痛や急性疼痛が蔓延化した慢性疼痛の場合、組織の修復期間(約3ヶ月)を超える場合は慢性疼痛の可能性があります。その場合に湿布は有効でなくなってきます。
慢性疼痛は中枢神経系の変異によって痛みが出ていることがわかっています。その要因に情動や下行性疼痛抑制系などがあり、そのブレーキシステムが効かないことにより疼痛が引き起こされます。
疼痛に対するアプローチ方法は?
疼痛に対する治療法には、薬物療法、運動療法、相手に寄り添う患者教育等があります。
薬物療法と運動療法の併用は有効的です。薬物療法によって疼痛を和らげた上で運動療法をおこなうことによって、自分がこれくらい動けるのだと教育することができます。
できないことではなくできることを数えるためにも、運動療法が大切になってきます。
疼痛に対する療法士の役割とは?
疼痛に対して療法士ができることは、ドクターと話し合いながら、その人ができること・できてくることを運動療法によって患者教育することです。痛みを抑えつつ生活をしていくことを教育していきます。
慢性疼痛に対しては運動療法、患者教育、心因性の場合は患者に寄り添ってできることを数えていくことが大切です。
このように、急性疼痛と慢性疼痛ではアプローチが異なります。
急性疼痛は侵害受容器に対してアプローチを、慢性疼痛は様々な視点でアプローチしていくことが大切です。
まとめ
慢性疼痛と急性疼痛について
1. 抗炎症薬である湿布は急性疼痛に有効である。
2. 慢性疼痛に対する治療法には薬物療法、運動療法、相手に寄り添う患者教育等がある。
3.慢性疼痛の人に対して、療法士はその人ができること・できてくることを運動療法によって患者教育する。心因性の場合は患者に寄り添いながらできることを数えていく。
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