『ROMexの目的は可動域の改善ではない!』

ROMexの目的は可動域の改善ではない。

ROMexの目的は運動学習

みなさんこんにちは療法士活性化委員会の大塚です。

前回は「ROMex可動域訓練には3つのポイントがある」
というお話をしました。
>>>ROMex可動域訓練に必要な3つのポイント

皆さんはROMex(関節可動域訓練)の目的はなんだと思いますか?
僕は最初「可動域の拡大」だと思っていました。
そして「可動域の拡大」を目的に患者様の肩や膝関節の屈曲・伸展などを繰り返していました。

でも実はROMexの本当の目的は動作に繋げるための
「運動の学習」
だったんです。

基本はまず動作分析

そもそも関節可動域に問題があると検討をつけるには
まず動作分析から始める必要があります。

日常生活で困難・問題・困っている動作を分析しその人の特徴的な動作を抽出します。
その後基本動作を行っていただき本来の動作に必要な機能があるかどうかを抽出します。
抽出した機能に関節可動域の制限が抽出された場合、関節可動域の評価に入ります。

関節可動域の量的評価と質的評価

関節可動域の評価で見るべきポイントは3つあります。

  1. 関節可動域の広さ(数値)
  2. end feel(骨性、結合組織性、軟部組織性)
  3. 自動運動・他動運動での評価

です。
1、関節可動域の広さ
これは単純に参考可動域と比較、または左右での比較をします。

2、end feel
end feelによって介入方法が変わります。詳しくは前回の記事を参照してください。

3、自動運動・他動運動での評価
ここが今回のポイントになります。他動運動と自動運動で差がある場合、可動域内の正常な運動が破綻している可能性があります。

例えば肩甲上腕リズム。肩関節の屈曲に制限がある方で、背臥位他動運動では全可動域動くのに立位で自動運動になると肩甲骨が先に挙上して全可動域動かせない場合があります。
この場合、正常な肩甲上腕リズムを学習していただくために動作を繰り返し行い運動学習していきます。
そしてそれが日常生活に反映されて初めてROMexの目的が達成されます。

まとめ

  1. ROMexの目的は可動域の拡大ではなく、動作に繋げるための運動学習
  2. 自動運動と他動運動での評価が必要
  3. 日常生活に反映されて初めて目的達成となる

です。

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