こんにちは!
患者さん・利用者さんの問題点を一緒にさがす!を基本にしている加藤です。
肩関節の評価って悩みますよね・・・
特に、肩関節は『全身を見ないといけない』と言われており、非常に複雑であり、それを間違えるとどこを見ていけばいいのかわからなくなります。
そこで、本日はAssessmentコースの内容に沿って肩関節の評価を解説していきましょう!
肩関節で全身を見る理由
カラー版カパンジー機能解剖学 全3巻原著第6版I上肢 II下肢 III脊椎・体幹・頭部
そもそも、肩関節はなぜ全身をみるの?と悩む人もいると思います。カパンディでは肩関節の屈曲を3相に分けており、最終の120°〜は脊柱の伸展が必要となるとしています。つまり脊柱が伸展するためには、骨盤、股関節、膝関節、足部などの状態が重要となってきますね。
Assessmentコースでどう分けているのか?
療法士活性化委員会のAssessmentコースでは、この全身の評価方法をシンプルに分けてお伝えしています。
プラットフォームでの評価、座位での評価、立位での評価としています。なぜ、その3つに分けたのか?その3つの中でもさらにポイントとなる場所は?を説明してきましょう!
ポイント① 評価する順番
まずは、プラットフォーム、座位、立位を評価する上で優先順位をつけていきましょう。
1番はプラットフォーム上で肩関節だけを評価してください。
これを飛ばしてしまうと、座位や立位で肩関節の可動域制限が肩関節だけの問題なのか?その他、全身のどこの問題なのか?がわからなくなります。
2番目は座位での評価です。
プラットフォームで肩関節の問題が解消されておりますので、それ以外の部位を考えることがシンプルでしょう。座位での可動域制限が生じるということは、骨盤・脊柱の問題が考えられます。
3番目は立位です。
その前の2段階で肩関節・骨盤・脊柱の問題は解消されています。そのため、立位での可動域制限は下肢による影響で脊柱を伸展できない状態になっていると考えられます。つまり下肢を評価していきましょう!
ポイント② 肩関節のみを評価
順番がわかったら各関節の状態を把握しましょう!肩関節といっても複合関節であり、主に4つの関節により構成されています。その4つの関節を1つ1つ評価していくことが大切です。
1 胸鎖関節
胸鎖関節は以外に評価されていない関節ですが、肩関節屈曲の軸になっている関節です。是非、評価していきましょう。
2 肩鎖関節
肩鎖関節の可動域がないと、肩甲骨は上方回旋してきません。肩甲上腕リズムに大きく関わる関節ですのでしっかりと評価していきましょう
3 肩甲胸郭関節
この関節にて肩甲上腕リズムを評価してください。そのリズムが早く出ていくのか?遅くなっているのか?によってアプローチ方法が全く変わってきます。
4 肩甲上腕関節
ここでは、しっかりと1st.2nd.3rdのそれぞれのポジションで評価していきましょう。これにより、それぞれの内外旋の可動域制限を把握することができます。
ポイント③ 座位での評価
座位では肩関節ではなく脊柱が伸展できない要因を考えていきましょう!
1 脊柱の可動性は?
そもそも、脊柱自体に可動性がないと脊柱は伸展できません。それぞれの椎間関節の動きをしっかりと評価してきましょう!
2 骨盤と脊柱の連動はあるか?
『骨盤前傾運動に伴い,股関節屈曲,腰椎・下部胸椎の伸展がみられた.また,骨盤後傾運動に伴い,股関節伸展,腰椎・下部胸椎の屈曲がみられた.骨盤可動範囲と下部胸椎可動範囲で正の相関(前傾運動時r=0.47,後傾運動時r=0.54)がみられた.〔結語〕骨盤前後傾運動中の脊椎・股関節の動きは相互に影響していた.また,骨盤傾斜可動範囲と下部胸椎可動範囲に正の相関がみられたことから,脊柱の可動性と骨盤の可動範囲が影響し合うことが示唆された.』
(引用:端座位における骨盤前後傾中の脊柱の運動分析より)
となっています。つまり脊柱が伸展するためには骨盤の前傾が必要となってきます。
肩関節のために骨盤を評価する必要がありますね!
ポイント④ 立位での評価
立位では、骨盤を前傾にコントロールできる下肢の状態に整える必要があります。そのために股関節・膝関節・足部を評価していきましょう!
1 股関節
立位の状態で骨盤が前傾するためには股関節の伸展・内旋の可動機が必要となっています。しっかりと股関節に対してアプローチしてきましょう!
2 膝関節
臨床でよく見る膝関節は立位になると屈曲位に固定されやすくなります。立位にて膝関節が伸展できるようにアプローチしていくことが大切です。
3 足部
足部のアーチが潰れていると下腿は内旋してしまい立位姿勢が不安定となります。足部の安定性が骨盤の安定性とつながっていきます。
まとめ
肩関節は全身を評価する必要がある関節です。
その順番として肩関節→骨盤・脊柱→股関節→膝関節→足部
を見ていくことで、立位での可動域改善につながります。
療法士活性化委員会のAssessmentコースでは、骨盤、脊柱、股関節、膝関節、足部、肩関節、呼吸・嚥下をお伝えしております。この流れで受講していただくことで全身を短時間で評価することが可能となります
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療法士活性化委員会
認定講師
作業療法士 加藤 淳