こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
今回はいただいた質問に対してお答えしていきます。
「高齢の方で、自主トレ的なものにはあまり協力的ではない。転倒歴もあり、息子さんから自主トレを指導してもらいたいと依頼があった。自主トレの意欲がない人に身体機能の維持をするにはどうしたらいいか?」
という質問をいただきました。自主トレの意欲がない方への指導、みなさんも似たような経験があるんじゃないかと思います。僕も悩みました。
そもそもなんですが、みなさん自身は「家でこういう体操をしていると機能が維持できますよ」と言われて、続けることができるでしょうか?
おそらくNOだと思います。僕もNOです。
みなさん自身ができないのに、みなさんよりも高齢で体の動きも低下している方がやってくれるとは思い難いです。でも身体機能は維持したい。そんな時どうするかをお伝えしていきます。
まず、自分自身特別なトレーニングはしていないけど日常生活は維持できている
みなさんは今、何か特別なトレーニングをしていますでしょうか? おそらくしていないと思います。でも日常生活はできていますよね? これはどういうことかというと、「日常生活を送っているから」なんです。
もう少しわかりやすくいうと自分が生活するのに必要なことを自分自身で行っているから生活に必要な機能が維持されています。
もし、「家のことは全部やるから起きて、ご飯食べて、座っているだけでいいよ」と言われてその通りにしていたら起きて、ご飯を食べて、座っているのに必要なだけの機能レベルまで低下します。要は歩けなくなります。
なので一番必要な自主トレーニングは「自分でできることは自分でやってもらう」ことなんです。
そのために必要なことが「教育」です。
病気をして自宅に帰ると転倒が怖いので、できることまで手伝ってしまうとできることもできなくなってしまいます。そうすることで機能低下が生じ、結果転倒につながっていきます。
変形性関節症のガイドラインでもコアアプローチは
- 患者教育
- 運動指導
- 体重の管理
です。
この患者教育と合わせてご家族の教育も行い、自分でできることは自分で やってもらうことが一番の機能維持につながると理解していただきましょう。
こんな実践例もあります
療法士活性化委員会の講習会を受講している受講生で、
約70床ほどの介護付き有料老人ホームで、毎月10件ほどの転倒が報告されていたが、職員に「自分でできることは手伝わずに自分でやってもらう」ということを徹底してもらったところ、転倒が月2件ほどまで減少した。
という報告をいただきました。
もちろん、どこまでができて、どこまでができないかを療法士が評価をし、転倒のリスクがありそうな環境は観察をして、手すりなどをつけるといった環境設定をするといった対応は必要です。十分な評価と準備をすることで対応は可能です。
またこの意識でスタッフが関わることで、入所されている方の身体機能も向上しているそうです。
まとめ
自主トレの意欲がない人に退院後の身体機能の維持するにはどうしたらいいか?
- 無理に自主トレーニングを指導する必要はない
- 自分でできることは自分でやってもらう
- そのための教育を本人と家族に行う
>>>臨床で悩む療法士のためのオンラインコミュティ“リハコヤ”
療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?
記事の目次ページへ →
この記事が「おもしろい!」「為になった!」と思ってくださった方は、ぜひ「シェア」や「いいね!」をお願いします!!
今すぐ「いいね!」ボタンを押して「療法士のためのお役立ち情報」をチェック!
↓ ↓ ↓ ↓