高次脳機能障害について勉強してみる 〜介入方法〜

高次脳機能障害について勉強してみる 〜介入方法〜

こんにちは、療法士活性化委員会委員長の大塚です。

理学療法士大塚久

前回は高次脳機能障害の基礎知識と評価をお伝えしました。今回はその介入法についてです。

前回の記事はこちら>>>高次脳機能障害について勉強してみる 〜症状と評価法〜
前回の触れましたが、高次脳機能には注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害が含まれます。これは私たちが意識しなくても普通にできていることが“意識しなければできない”または“意識してやろうとしても周りが気になって集中できない”と言った状況です。なので同じ動作や課題でもかなり疲労します。そこを忘れないようにして介入してください。

高次脳機能障害の介入法

大きく

  1. 医学的リハビリテーション
  2. 生活訓練
  3. 職能訓練

の3つに分けられます。

  • 医学的リハビリテーション:個々の認知障害の対処、心理カウンセリング、薬物治療、外科的テストも含まれる
  • 生活訓練・職能訓練:認知障害があったとしても対象はそこではなく、生活・職能に必要な技能を獲得するのが目的

今回は特に医学的リハビリテーションに着目していきます。

記憶障害への介入法

評価

  • WMS-Ⅲ(日本版ウェクスラー記憶検査):総合的な記憶の検査
  • 三宅式記銘力検査:聴覚性言語の記憶検査
  • ベントン視覚記銘検査:視覚性の記憶検査
  • リバーミード行動記憶検査(RBMT):日常的な記憶検査

介入法

  • 環境調整
  • メモをすぐ書けるとこに用意する
  • 大事な約束は付箋を目につくところに貼る
  • いつも使うものは置き場所を決めて必ず同じとこに置く

など

学習方法

  • エラーレス学習:誤反応を避けて最初から正反応を導く方法。記憶障害ではエピソード記憶として残らないため、間違えを認識して修正することが苦手。
  • 間隔伸長法:情報を保持する時間感覚を少しずつ伸ばして想起してもらう

代償手段の利用(内的・外的補助手段)

  • 視覚イメージ法:視覚イメージを利用した語呂合わせ
  • PQRST法(Preview予習、Question質問、Read精読、State記述、Testテスト):文章を読んで質問に答える。テーマや問題に関わる部分を意識することで記憶しやすくする。
  • メモ帳、カレンダー、手帳、ICレコーダー、スマホを利用して記憶する。記憶の取り出しを忘れないように訓練が必要。

注意障害への介入法

評価

  • 覚醒度のチェック、意識レベルのチェック
  • 輻輳、固定視、追視(視覚的に注意を向けられるかどうか?)
  • CAT・CAS(標準注意検査法・標準意欲評価法)

介入法

環境調整

  • 整理整頓(周りの環境に気を取られないため)
  • 個室で始める
  • 同じ担当者が対応する
  • 指導や修正は1つづつ行う。指導は短時間で、ポイントを絞り、ゆっくり丁寧に反復して伝える

学習法

机上課題>>>『OT机上課題資料まとめ』

ノルアドレナリンが視覚的注意に依存した作業を向上させるため、「迷路の壁にぶつからないように線を引く」「マスからはみ出ないように文字を書く」などの指示も有効となる。

半側空間無視に対して

プリズム適応療法:プリズム眼鏡を使用し、誤差を修正することで症状の改善を行う

遂行機能障害への介入法

評価

遂行機能障害は様々な要因が関与し、さらに記憶障害や注意障害が原因となっているケースもあるため、まず注意障害、記憶障害のアプローチを優先する。

  • 自己認識
  • ゴールセッティング
  • プランニング
  • 発動性
  • 自己モニタリング

介入法

  • 直接訓練:必要な行為、動作の組み合わせを練習する
  • 自己教示法・問題解決法:解決方法や計画の立て方を一緒に考える

など

課題

  • 机上課題
  • 日常生活動作
  • 職業生活課題

など

社会的行動障害

評価

生活や訓練場面で問題となる行動がどのようなきっかけで生じるか分析する。

介入法

認知面・行動面へのアプローチ,環境調整,家族支援, 薬物療法等の包括的な支援が必要。

最後に

高次脳機能障害は療法士一人で関わるのではなく、医師、看護師、ソーシャルワーカー、に加え、生活支援員、職業指導員、ご家族、地域社会で暮す人たち、就労につく会社の人たちなど多くの方々の理解と連携が必要です。当事者の抱える問題点や、できること、できていることを九通理解として関わっていきましょう。
高次脳機能障害というと何か特別な病気のように聞こえてしまいますが、私たちでも極度に緊張したり、慣れない場所で何かをしたり、周りが落ち着かない場所では同じような症状が出ることがあります。まずはその人がどうやったら快適に暮らせるかを考えていきましょう。

高次脳機能障害に対する勉強会

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療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。

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ありがとう

参考文献・資料

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