こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

本日はTCA回路についてお話ししていきます。
TCA回路とは?

前回のエネルギーの合成についてお話した際には、解糖系についてお伝えしました。
解糖系の目的はピルビン酸を作ることです。
この解糖系で作られたピルビン酸をもとに、CO2とGTP、NADH+、FADH2を産生する経路をTCA回路と言います。
このときATPは産生されません。
TCA回路はミトコンドリアマトリックス内で起こります。これはミトコンドリアの内側のことです。
電子伝達系は細胞質基質でおこなわれています。TCA回路からは電子伝達系です。
ミトコンドリアは体の中のDNAと異なるので、解糖系だけでは酸素が多すぎるため体のエネルギーが維持できません。
そこで、酸素を使ってTCA回路を回していこうというのがエネルギー産生になります。
ミトコンドリアマトリックス内で起こるTCA回路は、
3NAD++FAD+GDP+Pi+アセチルCoA→3NADH+FADH2+GTP+CoA+2CO2
化学式で表記するとこのようになります。
CO2が出てくるので呼吸がしっかりとできていないと、CO2が体外に排出されず体が酸性に傾き酸塩基平衡が崩れてしまいます。そのため、呼吸が重要になってきます。
TCA回路のエネルギー源になるのは、アセチルCoAです。
アセチルCoAはピルビン酸から作られるものなので、解糖系でピルビン酸が作られないとTCA回路が回りません。
解糖系で作られたピルビン酸はアセチルCoAに変化します。
その後アセチルCoAをもとにクエン酸になり、様々変化しながらオキサロ酢酸へと変化します。オキサロ酢酸とアセチルCoAで再びクエン酸になります。このクエン酸からオキサロ酢酸まで戻ってくる過程をTCA回路と言います。
戻ってくる過程にCO2、GTP、NADH+、FADH2ができます。
CO2は呼吸で排出され、GTPはタンパク質の調整に使われます。残りのNADH+、FADH2は電子伝達系のATP産生で使われます。
アセチルCoAは脂肪酸やアミノ酸の代謝からも得られます。
脂質・タンパク質の代謝でエネルギー産生するときは脂肪酸・アミノ酸からエネルギーを作っています。
このTCA回路でのピルビン酸からオキサロ酢酸まで変わっていく過程で必要になってくるのが酵素です。
酵素とは?

酵素の原料はタンパク質、補酵素の原料はビタミンであることが多いです。
タンパク質・ビタミンがないと酵素・補酵素が作れないためTCA回路は回らず、エネルギー産生をすることができません。
TCA回路を回すにはピルビン酸が必要で、そのピルビン酸のもとになるものでまず大事なのが糖質です。
体の中で様々なタンパク質を合成するわけですが、合成できるもの(非必須アミノ酸)と合成できないもの(必須アミノ酸)があります。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。非必須アミノ酸も大事なアミノ酸であり、合成する力が弱っていることもあるので、こちらも食事から摂取することが望ましいです。
アミノ酸はタンパク質を分解したものなので、アミノ酸の原料はタンパク質、つまり食事ではタンパク質の摂取が大事です。
まとめ
エネルギーの合成(TCA回路)について
- 解糖系で作られたピルビン酸をもとに、CO2とGTP、NADH+、FADH2を産生する経路をTCA回路という。
- TCA回路で得られたCO2は呼吸、GTPはタンパク質の合成、NADH+とFADH2は電子伝達系のATP産生で使われる。
- エネルギーを産生するためには糖質(ピルビン酸の原料)、タンパク質(酵素の原料)、ビタミン(補酵素の原料)を食事から摂ることが大切である。
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