こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
本日も、感覚と運動の統合についてお話しをしていきたいと思います。
前回、日常生活において感覚入力されたものを運動で出力していくためには、感覚入力、感覚運動、知覚運動、パターン化、レギュレーション化、イメージング、コンセプト化の7段階あるというお話をしました。
以前の記事はこちら↓
前回は感覚入力〜レギュレーション化までお話しましたので、今回はその後のイメージングとコンセプト化についてお伝えします。
イメージングとは?
ひとつ前の段階であるレギュレーション化の段階だと、実際にその場でやってみるというのがポイントになってきます。そして、イメージングから先は、動作を実際に行う前に頭の中でイメージができるかどうかがポイントになってきます。
これができるようになると、自己の表出や他者との調整などができるようになってきます。
レギュレーション化の段階では風景を再現して実際に練習することが必要ですが、イメージングの段階では実際の風景を想像して事前に予測を立てることができます。そのときにポイントになってくるのが、視覚と聴覚です。視覚や聴覚のイメージが低下していると場面が想像しづらくなってしまうので、視覚機能と聴覚機能(視神経、動眼神経、滑車神経、外転神経、内耳神経)を確認しておく必要があります。
逆に言うと、これらの機能が低下しているとイメージングができないので、こういう場面の時はこうですね、というような説明を伝えるのが難しくなってしまいます。
実際に臨床では、活動レベルが高くない人であれば、レギュレーション化までで、その人の活動範囲内でやってもらえれば充分だと思います。
活動範囲が広い人などはイメージング化まで必要になってきますので、そういう場合は実際の動作訓練だけでなく、様々な場面を一緒に考える練習が必要になってきます。
コンセプト化とは?
活動範囲が広い人などでイメージングができるようになったら、次のコンセプト化の段階に移ります。コンセプト化になると、イメージだけでなく、それが実際にどういう背景の中でやっているかという全体の理解が必要になってきます。
例えばトイレ動作であれば、トイレの動作だけでなく、トイレに行きたいと尿意を感じ、そのために立ってトイレに行って…というようなストーリー性の理解や、外出先だったらこのようにするというような集団の中での今の状態を評価できる必要があります。
これを患者さんに求めるのは大変ですが、私たち療法士はここまで意識しないといけません。
このコンセプト化まで行うためには、療法士が自分の中でもイメージング化できていないと、コンセプト化が難しくなります。そのためには動作の工程分析をする必要があります。動作の工程分析をしたら、各工程でどのような機能が必要かを考え、その機能を発揮するためにはどのような感覚入力が必要なのかなどと考えていく必要があります。
実際に患者さんに求めるのはレギュレーション化までですが、療法士はしっかりコンセプト化までしていなければいけません。療法士がコンセプト化までしているからこそ、患者さんがどこの段階で詰まっているのかを理解することができ、介入方法も変わってくると思います。
感覚入力で詰まっていれば脳神経を、感覚運動で詰まっていれば動作を、知覚運動で詰まっていれば意欲や注意を、というように、療法士がコンセプト化までできていれば、どこで詰まっていて、それに対して何が必要なのかが分かってきますので、ぜひ日々の臨床に活かしていってほしいと思います。
まとめ
感覚と運動の統合について〜機能からADLまで繋げるには?〜
1. 実際の風景を想像して事前に予測を立てることができるイメージングの段階では、視覚機能や聴覚機能が低下していると実際の場面を想像するのが難しくなるので、視覚・聴覚の評価が必要である。
2. 活動範囲の広い人の場合、イメージングやコンセプト化の段階までできる必要がある。実際に患者さんにそれらを求めるのは難しいが、療法士は意識しなければならない。
3. 療法士が動作の工程分析を行い動作をコンセプト化できているからこそ、患者さんがどこの段階で詰まっているのかを理解することができ、それに対して介入することができる。
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