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本日は起き上がりの動作分析についてお伝えします。
起き上がりの4相とは?
起き上がりの動作分析をしていく上で、まずは起き上がり動作を細区分化していきます。
背臥位の状態から頭頸部が動き、上側になる肩甲骨が前方突出してきます。そして、上部胸郭が捻れ、on elbowからon handになり起き上がります。
起き上がり動作の第1相と第2相は寝返り動作と同じです。なので、今回は第3相の肩甲骨〜上腕、第4相の前腕〜手関節をみていきましょう。
起き上がりの第3相について
第3相は、上部体幹が捻れon elbowになるところです。このときに必要な要素は肩関節の安定性と肘関節の安定性です。
本日は肩関節の安定性についてお伝えしていきます。
起き上がりの第3相では、支点(回転の中心)が肩関節からon elbowに切り替わります。臨床ではこの支点の切り替わりが上手くいかない場合が多いです。
肩関節は第2相での水平内転の動きを止め、慣性を肘関節に伝えます。肩関節が安定してブレーキをかけられることがポイントになります。
肩甲骨の安定性に必要な要素は?
肩甲骨が安定性を得るためには、前鋸筋、僧帽筋中部繊維、菱形筋がしっかりと働く必要があります。
肩甲上腕関節の安定に必要な要素とは?
On elbowにて肩関節を安定させるためには、回旋筋腱板が重要な役割を果たします。特に後方の安定性に寄与する棘下筋がポイントになるので、棘下筋を中心とした回旋筋腱板の評価していく必要があります。
また、胸郭を上腕骨上で安定化させる働きをもつ大胸筋と広背筋の評価もしていく必要があります。特に臥床時間が長くなってしまっている場合、広背筋の滑走性が低下していることが多いので評価してみてください。
次回は起き上がりの第3相の肘関節の安定性についてお伝えします。
まとめ
起き上がりの動作分析①
1. 起き上がりは4相に分けられ、第1相と第2相は寝返り動作と同じである。第3相は、上部体幹が捻れon elbowになるところである。
2. 第3相で必要な要素は肩関節の安定性と肘関節の安定性である。
3. 肩関節の安定性に必要な要素は前鋸筋、僧帽筋中部繊維、菱形筋、回旋筋腱板、大胸筋、広背筋などがあり、これらが働くことによってon elbowがスムーズとなる。
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