毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
75歳の女性。16年前に左上肢の安静時振戦が出現し、その後左下肢にも認められ動作緩慢となった。近医脳神経内科を受診しParkinson病と診断されL-dopaの内服治療が開始された。開始当初はL-dopaの効果を認めたが、パーキンソニズムの増悪に伴い徐々にL-dopaを増量された。最近L-dopa服用後30分程度で突然 動けなくなり、1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという。
この現象はどれか。
- wearing-off 現象
- Westphal 現象
- pusher 現象
- on-off 現象
- frozen 現象
解答
4
解説
パーキンソン病とは中脳黒質のドパミン細胞が脱落して起こる病気です。主要な運動症状として振戦、無動、固縮、姿勢反射障害が現れます。そのほかにも自律神経症状や二次的な廃用を起こしやすい疾患です。
問題の選択肢は
wearing-off 現象
→薬の服用期間が長くなるとその効き目が短くなり、次の薬を飲む前に効果が切れてしまうこと。
Westphal 現象
→筋を受動的に短縮させた場合、短縮させた筋に持続的な筋収縮が誘発される現象で前脛骨筋に最も出やすい、知覚は正常。
pusher 現象
→脳卒中患者に見られる姿勢の異常症状。非麻痺側を使って麻痺側に向かって体を押す現象。
on-off 現象
→薬が効いている状態をon、効いていない状態をoffという。
frozen 現象
→すくみ足のこと。
「1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという」の現象が何かを問われているので、答えは3のon-off 現象になります。
これを臨床で活かすには?
パーキンソン病は運動症状だけでなく、非運動症状も現れます。どうしても見た目でわかりやすい運動症状に目が行きがちですが、非運動症状にも目を向けましょう。また大事になってくるのが介護者の負担です。本人が悩んでいることと、介護者が悩んでいることが違うことが多々あります。必ず双方から話を聞き、対応するようにしましょう。
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