こんにちは、理学療法士の嵩里です。
他職種連携において、皆さんは先輩理学療法士、作業療法士とどのような情報共有したらいいか悩んだことはありませんか?
前回の内容はこちら
トイレ動作における、理学療法士・作業療法士の評価結果の共有方法
今回はトイレ動作における、理学療法士・作業療法士の評価結果の共有方法についてお伝えします。中でも下衣操作を具体例としてお話ししていきたいと思います。
1. 目的の共有
まず、家族の希望や自宅退院を達成するために、必要なADLや動作を理学療法士・作業療法士間で共有しましょう。
トイレ動作であれば「立位保持ができない」「下衣操作ができない」のように、どの工程で困難となっているかを考えます。
病棟から現在介助が必要となっている場面を情報収集したり、家族からどの程度まで行えるようになって欲しいかの希望を聴取するのも良いと思います。
2. 共有すべき評価項目
改善したい動作を共有できたら、動作を行うために必要となる機能面と認知面の評価を行っていきましょう。
下衣操作を行うために必要なBr.stageは?
- 上肢Br.stageⅢ〜
- 手指Br.stageⅢ〜
- 下肢Br.stageⅢ〜
下衣操作を行うために必要な関節運動・可動域は?
- 肩関節伸展内旋
- 肘屈曲
- 手関節掌屈
- 前腕回内外
- 手指屈曲伸展
- 股関節屈曲伸展
- 膝屈曲屈曲伸展
- 足関節背屈
参考>>>脳血管疾患患者におけるトイレ動作のリハビリテーション:Br.stage各段階の特性と課題 〜トイレ動作の動作分析から情報共有までの流れを学ぶ〜
麻痺側、非麻痺側のMMTは?
- 上肢
- 手指
- 下肢
認知機能は?
・MMSE
3. 評価結果の共有
評価が行えたら、理学療法士・作業療法士間で結果を共有し、リハビリの方向性を決めましょう。
次に理学療法士、作業療法士でどの問題点に対して介入するか、役割分担をしていきます。
- 理学療法士は足関節背屈制限に対して介入し、立位保持の安定を目指す
- 作業療法士は肩関節内旋可動域改善、促通を行いズボン後ろに手が回ることを目指す
このように改善したい動作に対して理学療法士、作業療法士が介入した結果、目的の動作を獲得できることを目指していきます。
またナースコールが押せるか、トイレに行ったことを忘れてしまわないか等、トイレ動作獲得に認知面がどのように影響するかも考えます。
理学療法士、作業療法士間で情報共有ができたら、リハビリ場面でのできるADLと、病棟でのしているADLが解離しないようスタッフ間でもADLの共有していきましょう。
職場によっては作業療法士=上肢・手指・認知面、理学療法士=下肢・立位という雰囲気があるかもしれませんが、お互いが患者さんをトータルで評価していけるとベストだと考えています。
まとめ
- 理学療法士、作業療法士間で改善したい動作や工程を共有する
- 動作が難しい理由を身体機能、認知面から評価する
- 双方が介入した結果、動作が獲得できるようなアプローチを行う
続きはこちら>>病棟スタッフへの評価結果共有方法:リハビリテーションにおける効果的なコミュニケーション 〜トイレ動作の分析からアプローチ 情報共有までの流れを学ぶ〜
参考文献
佐々木晃子 前腕回内可動域制限が結帯動作に与える影響 第48回日本理学療法学術大会(名古屋)
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【リハビリがうまくいかない方限定】トイレ動作の動作分析から評価・アプローチ、情報共有までの流れを学ぶ
会場 | 【土日開催】 【平日開催】 |
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定員 | 土日:24名 平日:6名 |
参加費 | 11,000円(税込)(会場、オンラインともに同額となります) |
参加資格 | 医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、養成校学生(学生は受講料が半額となります。) |
持ち物 | 筆記用具 ヨガマット(推奨、バスタオルで代用可) 普段使用している整形外科の教科書 バスタオル1枚 動きやすい服装 |
講習会内容 | 1. トイレ動作の評価が必要な理由 2. トイレ動作の工程分析 3. トイレ動作の中で問題となりやすい工程 4. それぞれの工程で問題点を抽出するための評価 5. 問題点に対するアプローチ法 6. 認知機能について 7. 情報共有 |