皆さん、こんにちは
療活の林です。
前回は腰椎椎間板ヘルニアの病態についてお話しました。
まだ見ていない方はこちら>>>「腰椎椎間板ヘルニアのリハビリって? ~病態編」
病態は理解できた、でも
「結局は屈む姿勢がよくないって事は分かった」
「でもアプローチする部位が検討つかない」
「病態を踏まえて何を評価すればいいのか」
「姿勢や動作の評価は何をしていいのかわからない!」
そう思いませんか?。私が皆さんの立場でもそう思います。
では今回は整形外科テストを用いて
腰椎椎間板ヘルニアの機能低下部位を特定していきたいと思います。
【前屈姿勢が良くない!!】
腰椎椎間板ヘルニアは一言でいうと、
『前屈姿勢でいることで、椎間板が変性し、疼痛、痺れが生じる疾患』です。
【椎間板ヘルニアの運動検査は?】
今回は、体幹の前屈の動作で評価をする
指床間距離FFD(Finger Floor Distance)を用いて機能低下を探っていきたいと思います。
評価をするときのポイントは、
- 評価の目的
- 評価の方法
- 評価の解釈
です。
【FFDテストの目的は?】
腰椎の可動性低下を調べます。
それにより、腰痛、痺れとの関連性を推察する事が目的です。
【FFDテストの方法は?】
立位にて足幅を肩幅に広げ、左右の中指尖端を床面へ伸ばします。このときの指と床面感の距離を測定します。通常は、中指が床面へ接します。
【FFDテストの解釈は?】
実は指と床との間の距離を測定するだけでは何も解釈が進みません。ここでポイントとなるのは「どうやって前屈をしているか?」です。
見るポイントは
腰椎の後弯、つまりカーブがあるかをみます。
カーブが無く、腰椎が平坦な状態な場合
→腰椎の可動性低下が疑われます。
腰椎カーブがあっても床面まで中指が着かない場合
→股関節の可動性低下が疑われます。
なぜ股関節の可動性低下が疑われるの?
脊柱の前屈の参考可動域は約150°と言われており、
そのうち、脊柱約50°、股関節屈曲約90°となっています。
残りの足りない可動域は腰椎-仙腸関節-股関節との複合運動で補償しています。
つまり、指床間距離FFD(Finger Floor Distance)は、
腰椎-仙腸関節-股関節の可動域が評価できるという事になります。
【まとめ】
1.腰椎椎間板ヘルニアでは、前屈姿勢で疼痛・痺れが出現
↓
2.指床間距離FFD(Finger Floor Distance)で評価
↓
3.解釈
正常:中指が床面へ着く
腰椎カーブ低下:腰椎の可動性低下
腰椎カーブはあるが床面まで着かない:股関節の可動性低下
という解釈になります。
機能低下の原因部位は検討がつきました。
次は実際の治療に移っていきたいと思います。
治療ができないと評価が合っているか分からないですものね。
次回は腰椎椎間板ヘルニアのアプローチについてです。
お楽しみに~
評価を理解し、患者・利用者さんの人生を再デザインしませんか。
療法士活性化委員会 認定インストラクター
林 凌磨
参考文献
1.中尾 浩之著:よくわかる腰痛症原因と治し方 2016年
2.永木 平載著:よくわかる腰・腰椎の動きとしくみ 2017年