新人療法士に意識してもらいたい3つの心構え

新人療法士に意識してもらいたい3つの心構え

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

先日理学療法士、作業療法士国家試験の合格発表がありました。理学療法士国家試験は12,283人が受験、10,608人が合格、合格率は86.4%。作業療法士国家試験は6,352人が受験、5,548人が合格、合格率は87.3%。という数字でしたね。4月から新たに約15,000人の新人療法士が誕生します。そこで新人の療法士の皆さんに知っておいてもらいたい3つの心構えをお伝えしたいと思います。

先輩療法士の小言としてお読みください。

よく言われる社会人基礎力

よく「仕事を始める前に勉強しておいた方がいいことはなんですか?」という質問をするかと思います。そういう時は決まって「勉強もだけど社会人としての基礎力を高めましょう」ってなアドバイスをもらうんじゃないでしょうか?

そちらについては経済産業省が「人生100年時代の社会人基礎力」という情報を発信しているのでそちらを参考にしてみてください。

出典:経済産業省HP 社会人基礎力「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料

それとは別に大塚個人が思う意識しておいた方がいいなと思う心構えをお伝えします。

新人療法士に意識してもらいたい3つの心構え

患者様はお客様じゃない!

よく「療法士はサービス業、患者をお客様として接遇をきちんとしなさい」みたいなことを言われると思います。これ結構な誤解があって、ここでいう「お客様」は普通にイメージするような、「お店とかに買い物に来ているお客様」ではありません。一般的なお客様をイメージしてしまうとこんな感じになります。

  意志 選択権 費用
購買意欲があって来店
意欲はなくても積極的な来店
店も商品も選べる 全額自己負担
患者or利用者 病気や怪我になりたくてなっているわけではない
消極的な来院
医療機関はある程度選べるが、療法士を選ぶことはほぼできない 1〜3割自己負担
残りは税金

これを意識して対応する必要があります。そこで出てくるアドバイスが「患者さんに寄り添う」です。実はこれも結構抽象的。傾聴しているつもりでも細かい情報は拾えずただ時間ばかりすぎるし、患者さんの訴えばかり聞いてると「訴えばかり聞いててもリハビリ進まないよ」って言われたり、正直新人の頃に「患者さんに寄り添え!」って言われるとどうしていいかわかりませんでした。

どうしていいかわからなくなった時に思い出してもらいたいのが、「相手の感情を想像する」ことです。先程の表でお伝えしたようにそもそも患者さん、利用者さんは自ら望んで今の状況になっていません。その感情を想像してみましょう。大事なのは「患者さんの「感情」に寄りそう」ことです。

金額を把握しろ!

入職したら以下の計算をしてみてください。

施設基準と1単位の点数 × その施設で一番単位を使っている療法士の1週間の単位数 × 52週間

これはあなたが所属する施設でリハビリを行うことで挙げられる年間の収益の最大に近い数字です。
(あくまで疾患別リハビリテーションを行なった場合としての数字です)

*ちなみに余談ですが、もしあなたの施設が副業が可能で、収入を増やすという目的で副業をするのであればこの数字から現在の時給を計算し、その時給以上の副業を探しましょう。もちろん収入以外の目的もあると思うので参考程度に、、、

そして自分にかかっている経費も可能な限り計算してみましょう。

人件費(自分自身や自分以外の人も含む)、施設の維持費、設備関係費、その他経費(水道光熱費、交通費、ユニフォーム代、諸手当など)、広告宣伝費、社会保障費など様々かかっています。

この二つの数字。収益の方が大きければ黒字、経費の方が大きければ赤字になります。そして赤字が続けば当然施設は潰れます。もちろん新入職員の場合はすぐ利益を求められるわけではなく、今後に期待しての投資でもあります。この意識を持って業務を行いましょう。

療法士はなぜかあまりお金に関する話をしません。しかし自分の価値を把握することは重要です。数字で出せるものは数字を示してみましょう。

業務マニュアル、先輩、後輩、文献、教科書、講師を疑え!

これは何も自分以外信じるなってことではありませんし一切アドバイスを受けるなってことでもありません。むしろ積極的にアドバイスをもらってください。ここで言いたいのは「批判的に吟味しましょう」ってことです。先輩に聞いたり文献を調べたり、勉強会に行ったり、いろんな方法で臨床の悩みを可決すると思います。ただそれらの情報を全て鵜呑みにしないようにしてください。そこで得られた情報はその時のものです。情報は常に変わります。特に医療は進歩します。数年前には当たり前に行われていたことが現在では禁忌になることも多々あります。与えられた情報を鵜呑みにせず必ず自分で調べて吟味する癖をつけてください。

そしてこれは何も臨床だけでなく、業務マニュアルにも言えることです。業務マニュアルにも同じように「以前は必要だったけど今はなんであるのかわからないこと」も存在することがあります。そんな時も「なぜこのマニュアルがあるんだろう?」と考えてみるようにしましょう。

まとめ

新人療法士が持っておきたい3つの心構えは

  1. 患者様はお客様じゃない!
  2. 金額を把握しろ!
  3. 業務マニュアル、先輩、後輩、文献、教科書、講師を疑え!

臨床は養成校にいた時では想像もできないようなことがたくさんあります。でもその問題のほとんどは「考える」ことで解決できることばかりです。考えた分だけみなさんはどんどん伸びていきます。自分の限界を自分で決めず、たくさんの人から「ありがとう」と言われる療法士になってください。

療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?

ありがとう

参考文献・資料

経済産業省HP 社会人基礎力「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料

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