何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その3  機能の評価〜

何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その3  機能の評価〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

前回は対象者の機能の特にリスク管理の部分についてお話ししました。
>>>何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その2 リスクの評価〜
今回はその続きで対象者の身体機能・脳機能についての勉強してみます!

リハビリテーション実施計画書、身体機能・脳機能について

身体機能

関節可動域制限

可動域に制限がるもの、改善の見込みがあるものを記載

拘縮・変形

骨構造の変化などにより改善の見込みが少ないものを記載

筋力低下

MMTで評価。単純なブレイクテストともに可動域の範囲内を動かせるかどうかも評価してみましょう。

運動機能障害(麻痺、不随意運動、運動失調、パーキンソニズム)

  • 麻痺:皮質脊髄路
  • 不随意運動:大脳基底核
  • 運動失調:小脳
  • パーキンソニズム:基底核のドーパミン系の阻害

整形外科疾患でも必ずみてみること!

感覚機能障害(聴覚、視覚、表在覚、深部覚)

  • 聴覚:意思疎通を図るのに必要となります。また難聴と認知症の関係も論じられていますので重要な感覚の一つです。
  • 視覚:固定視、輻輳、追視をまずみてみましょう。ひとの動きは視覚による制御が大きく視覚の問題は体に大きな影響を与えます。
  • 表在感覚:デルマトームを参考にどのレベルで障害が起きているか参考にしましょう。
  • 深部感覚:深部感覚に機能低下があるとそもそも体の位置を把握できません。深部感覚と視覚を統合して体を制御しています。

脳機能(一部身体機能も含まれます)

音声・発話障害(構音、失語、吃音、その他)

  • 構音障害:形態的なものと身体機能のものに分かれる。理解は問題ない。
  • 失語:ブローカー失語、ウェルニッケ失語、全失語、超皮質性運動失語、超皮質性感覚失語、混合型超皮質性失語、伝導性失語にわけられ、それぞれ症状が異なる。
  • 吃音:発話障害の一つ。発達性吃音、獲得性吃音に分かれる。

言語はコミュニケーションの重要な手段の一つです。対象者の状態に合わせて適切な言語を選ぶようにしましょう。

高次脳機能障害(記憶、注意、失行、遂行)

リハビリを進める上で阻害因子となりやすいです。高次脳機能を把握して対象者に合わせた環境設定、課題の難易度などを決定しましょう。

精神行動障害

BPSD(暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁など)

見当識障害

時節、場所、人がわからなくなる。
評価:HDS-R、MMSEなど。

記憶障害

  • 記憶にかかわる時間(即時、長期、展望など)
  • 記憶の種類(事実、体験、手続記憶など)
  • 記憶の段階(符号化、貯蔵、検索)
  • 記憶の引き出し方(再生、再認)
  • 記憶された時期(逆向、前向)

評価

  • 全般的記憶検査:WMS-R(ウェクスラー記憶検査)
  • 言語性記憶検査:三宅式記銘力検査
  • 視覚性記憶検査:ベントン視覚記銘力検査、REY図形テスト
  • 日常記憶検査:RBMT(リバーミード行動記憶検査)

発達障害(自閉スペクトラム症、学習障害、注意欠陥多動性障害)

身体機能と脳機能で分かれており、対象に当てはまる部分を記載となっていますが、基本的に対象者全員に全ての項目をチェックした方がいいと思います。例えば転倒による骨折の対象の方だとしても転倒の原因として中枢疾患が隠れているかもしれません。再発予防のためにも考えられるものは評価が必要だと思います。

まとめ

対象者の身体機能・脳機能について

  1. どんな疾患でも全てチェックすることが望ましい
  2. 身体機能と脳機能を分けて考えてみる
  3. 機能障害の回復と回復できないものは代償の方法を考える

一つ一つ問題を整理しながらリハビリを進めていきましょう!

次回は能力についてお伝えしていきます!!

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