こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
前回は対象者のFIMの評価についてお伝えしました。FIMは「しているADL」を評価する指標でしたね。
何を評価していいかわからないのでリハビリテーション実施計画書を参考にしてみた 〜その5 FIMについて〜
今回はBarthel Indexについて勉強していきます。
リハビリテーション実施計画書、日常生活活動について
日常生活活動は()で実施状況と書かれています。なのでいま現在、どのように日常生活が実施されているかを評価していきます。評価バッテリーはFIMまたはBI。これは施設によってどちらかを採用していると思いますが、今回はBarthel Index(以下BI)について解説していきます。
そして今回の計画書から前後に変化がひと目で見てわかるようになりました。左に前回の値、右に今回の値を記入し、改善しているのか、それとも現状維持なのかをすぐに判断できるようになります。
Barthel Index(BI)とは?
Barthel Indexはアメリカの理学療法士Barthel氏によって開発されたADLを評価する指標の一つです。日常生活の動作を10項目に分けてそれぞれ5〜15点で評価します。満点で100点。FIMがしているADLを評価していたのに対して、BIは「できるADL」を見ている点が大きな違いです。
またADLの指標ではありますが、IADL(手段的ADL)を評価できないので、BIが100点であっても1人で生活できるというわけではありません。
BIの採点の基本
食事
10点:自立。標準時間内で食べきれる。自助具の使用は可能。
5点:見守りや介助を要する。(きざみ食を用意する・食べこぼしを管理するなど)
0点:全介助
移乗(車いすとベッド間)
15点:介助無しで動作可能。ブレーキやフットレストなどの管理が可能。※歩行自立も15点
10点:軽度の介助や監視・声掛けが必要(ブレーキの管理など)
5点:座ることはできるがほぼ全介助
0点:全介助・不可能
整容
5点:自立(整容:洗面・整髪・歯磨き・髭剃り)
0点:部分介助・不可能
トイレ動作
10点:自立(衣服の着脱や後始末も含める。ポータブルトイレの場合、その洗浄を含める)
5点:部分介助(身体的介助・衣服操作や後始末・洗浄での手助けも含める)
0点:全介助・不可能
入浴
5点:自立
0点:部分介助・不可能
歩行
15点:45m以上の歩行(補装具の使用可 ※車いす・歩行器は除く)
10点:45m以上の介助歩行(歩行器の使用可)
5点:歩行不能の場合、45m以上車いすでの操作可能
0点:上記以外
階段昇降
10点:自立(手すりなどの使用可)
5点:介助もしくは監視が必要
0点:不能
着替え
10点:自立(靴・ファスナー・装具などの着脱を含む)
5点:部分介助(標準時間内、半分以上は自分で行える)
0点:上記以外
排便
10点:失禁なし(浣腸や坐薬の取り扱いも可能)
5点:ときに失禁あり(浣腸や坐薬の取り扱いにも介助を要する者も含める)
0点:上記以外
排尿
10点:失禁なし(収尿器の取り扱いも可能)
5点:ときに失禁あり(収納器の取り扱いの介助を要する者も含める)
0点:上記以外
合計点
100点:完全自立
85点以上:65%が歩行自立
65点以上:基本動作が自立
40点以下:基本動作部分介助から全介助
とされています。
BIのデメリット
評価が簡便なため大まかな評価になる
必要な介助の方法や量はわかりません。個別に詳細な評価が必要となります。
コミュニケーションの項目がない
FIMと比較するとコミュニケーションの項目がないので計画書の特記事項のコミュニケーションの状態も記載しましょう。
まとめ
対象者のBarthel Indexの評価について
- 評価が簡便で数値がわかりやすい、その分詳細な評価が別に必要。
- できるADLを評価している
- コミュニケーションの項目は含まれないので追記が必要
Barthel IndexはFIMとともに広く用いられている評価法です。それぞれのメリット・デメリットを理解して使い分けていきましょう。
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