こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
前回は対象者のBarthel Indexの評価についてお伝えしました。Barthel Indexは「できるADL」を評価する指標でしたね。前回までで能力に対する評価は終わりです。今回は栄養についてお伝えしていきます。
リハビリテーション実施計画書、栄養状態について
回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する場合は必ず記入となっていますが、基本的にはどんな方でも必ず記入したほうがいいと思います。なぜならば、そもそも生きて行く上で栄養状態は必須の問題であり、栄養を摂取できていない場合は体の回復が遅れ、リハビリの進捗にも影響が出てきます。なので必ず栄養状態を評価してみましょう。
基本情報
身長、体重、BMI:エネルギー量の過不足を評価できます。この数値は一回で評価せず前回との比較でどう変化をしているかを評価しましょう。
栄養補給方法(複数選択可)
- 経口(食事、補助食品)
- 経管栄養
- 静脈栄養(末端、中心)
- 胃ろう
栄養摂取の方法を記載します。下に行くにしたがい通常の栄養摂取の状態とは離れていきます。
嚥下調整食の必要性
学会分類コード
学会分類 2013 では,コード 0,コード 1,コード 2,コード 3,コード 4 の 5 段階としています。
詳しくはこちらから>>>https://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/doc/classification2013-manual.pdf
栄養状態の評価
- 問題なし
- 低栄養
- 低栄養のリスク
- 過栄養
- その他
当てはまるものにチェックを入れます。
必要栄養量,総摂取栄養量
- 熱量(kcal)
- タンパク質量(g)
をそれぞれ記載します。
必要栄養量の計算
必要エネルギー量=基礎代謝量(BEE)×活動係数(AF) ×傷害係数(SF)
で計算します。
基礎代謝量
Harris-Benedict 式
- 男性 BEE=66.5 +(13.75×体重kg)+(5.0×身長cm)-(6.75×年齢)
- 女性 BEE=655 +(9.56×体重kg)+(1.85×身長cm)-(4.68×年齢)
で計算してみましょう。
活動係数 (AF)
- 寝たきり ;1.0~1.1
- ベッド上安静 ;1.2
- べッド以外での活動あり;1.3
- やや軽い労作;1.5 中等度;1.7 重度;1.9
傷害係数(SF)
- 飢餓 ;0.84
- 手術 ;軽度 1.1
- 外傷 ;骨折 1.35
- 感染症 ;軽度1.2
- 癌 ;1.1~1.3
- ストレスなし;1.0 中等度 1.2 高度 1.8
- 頭部損傷+ステロイド使用 1.6 中等度1.5
などがあります。
必要タンパク量は
疾患、外傷などによる蛋白異化亢進の程度と 低蛋白血症の程度に応じて決定します。
大まかに以下のように決定しますが詳しくは管理栄養士さんに聞いてみましょう。
- 代謝亢進レベル :蛋白質必要量(g/kg/日)
- 正常 (代謝亢進なし) : 0.8~1.0
- 軽度 (小手術、骨折など):1.0~1.2
- 中程度 (腹膜炎、多発外傷など):1.2~1.5
- 高度 (多臓器不全、広範熱傷など):1.5~2.0
栄養状態って正直療法士はおろそかにしてしまう部分があると思います。実際僕もそうでした。でも栄養状態が悪い場合、そもそもリハビリを行える状態にない場合があります。十分な栄養を摂取できていないと運動をするにつれて痩せていき、状態が悪化することもあります。必ず医師や管理栄養士に栄養状態を確認してからリハビリを行いましょう。
まとめ
対象者の栄養状態の評価について
- 栄養状態は体を維持するために必ず必要
- 筋肉、組織、ホルモンなど体はタンパク質が材料となる
- 栄養状態によっては運動がリスクになる場合がある
身体の回復には必ず栄養状態の改善が必要です。身体機能と合わせて栄養状態も必ず評価しましょう。
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