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本日は股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?という内容についてお伝えします。
股関節伸展の可動域はなぜ重要なのか?
股関節は、一見不安定な関節に見えますが、ある条件を満たすと著しく安定性に優れた関節になります。
その条件とは、股関節が十分に伸展することです。
股関節の最大伸展位は、多くの靭帯をねじり螺旋状にさせ、最も緊張させて安定性が得られます。さらに、最大伸展に少しの内旋と外転を加えることにより、関節包・靭帯の一部が伸長され、より安定性が向上します。
そのため、股関節はしっかりと伸展させることが重要です。
股関節の特徴について
股関節伸展の可動域を測定し、可動域制限があったからROMex.をする、では効果は出にくくなります。
なぜ股関節伸展がいかないのか、その原因を探らなければいけません。

上の表を見ると、股関節伸展の可動域制限は腸骨大腿靭帯と前方関節包の大部分、恥骨大腿靭帯と坐骨大腿靭帯の一部、大腿直筋が原因である可能性があります。また、腸腰筋が股関節伸展の制限因子になることも多くあります。
なので、ただ股関節伸展のROMex.をしただけでは、股関節伸展に制限が出ている理由が明らかになりません。
制限因子とエンドフィールについて

関節包が制限因子である場合のエンドフィールは急に硬く、弾性があります。筋・腱が制限因子である場合のエンドフィールは徐々に硬く、弾性があります。また、関節包の場合は最終域でのみ硬いという特徴もあります。
つまり、可動域測定の際に、
・最終域のみで硬くなっているのか?
・徐々に硬くなっているのか?
を感じ分けることで、筋由来の可動域制限なのか関節包性由来の可動域制限なのかがわかります。
筋由来か関節包靭帯由来なのかが判別できたら、次にMMTや整形外科テストなどを行い、さらに詳しく評価していきます。
まとめ
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?
1. ただROM測定をするのではなく、エンドフィールを感じることが重要である。
2. エンドフィールによって筋由来なのか関節包靭帯由来なのかを判別し、次に整形外科テストやMMTをおこなうことでROM制限の原因を特定していくことができる。
3. 股関節伸展の可動域制限に対して単純に伸展のROMex.をするのではなく、原因となる部位を特定しアプローチする。
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