その不調、ストレスかも? 作業療法士が教える「良いストレス」と「悪いストレス」の違いと付き合い方

ICFの個人因子を「臨床で使える」に変える——OTしゃべり場から学ぶ評価⇄介入のつなぎ方

みなさんこんにちは。作業療法士の仲田です。 現代社会において、ストレスは避けて通れない存在となっています。しかし、ストレスについて正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、ストレスと体の関係について、作業療法士の視点から詳しく解説していきます。

実際にZoomのナイトセミナー「OTしゃべり場」というADLなどを話し合う場で出てきたストレスと体に関する会話を一部お伝えしていきます。

ストレスとは何か?作業療法士が教える基本知識

受講生

先生!ストレスについて質問です!

仲田

はい、どうぞ!

受講生

今更なんですけど、ストレスって何ですか?

仲田

ストレスって明確的に知りたいってことですか?

受講生

はい!

仲田

ストレスの定義は、“心や体にかかる外からの刺激や負担”のことですよ。

ストレスを構成する3つの要素

仲田

ストレスは3つの構成要素があって、ストレッサーは刺激・要因、ストレス反応は体や心の反応、ストレス耐性は個人差によるものですね。

受講生

3つの要素に分けられるんですね。

ストレスの3つの構成要素

1. ストレッサー(刺激・要因)
外部要因:

  • 環境的要因:暑さ、寒さ、騒音、混雑など
  • 社会的要因:仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなど

内部要因:

  • 身体的要因:病気、疲労、睡眠不足など
  • 心理的要因:性格、考え方の癖、完璧主義など
2. ストレス反応(心身の変化)

  • 身体的反応:心拍数・血圧の上昇、発汗、頭痛、免疫力の低下
  • 心理的反応:不安、イライラ、落ち込み、無気力
  • 行動的反応:飲酒量の増加、過食、不眠、集中力の低下
3. ストレス耐性(個人差)

  • 遺伝的要因
  • 過去の経験や学習
  • サポート体制の充実度
  • 対処スキルの有無

良いストレスと悪いストレス:その違いとは?

仲田

そして、ストレスって良いのと悪いのがあるんですよ。

受講生

良いストレスと悪いストレスですね。何となくわかります!

仲田

説明してもらってもいいですか?

受講生

あ、無理です。

仲田

えっと、良いストレスはユーストレスといって、適度なプレッシャーがやる気や集中力を高め、成長や成果につながることです。テスト前だとプレッシャーを感じてやる気が出ていつも以上に学習意欲上がりませんか?

受講生

確かに!

ユーストレス(良いストレス)とディストレス(悪いストレス)

ユーストレス(良いストレス)の特徴:

  • 短期的で適度な刺激
  • やる気や集中力を高める
  • 成長や学習を促進する
  • 達成感や充実感をもたらす

例:試験前の適度な緊張感、新しいチャレンジ、スポーツの試合前の興奮

ディストレス(悪いストレス)の特徴:

  • 長期的または過度な刺激
  • 心身の不調を引き起こす
  • パフォーマンスを低下させる
  • 健康問題のリスクを高める

例:慢性的な過労、人間関係の深刻な悩み、経済的な不安

ストレスと上手く付き合うために

仲田

悪いストレスは、ディストレスといって、長く続いたり、強すぎると心身に不調を招いてしまう場合があります。仕事しすぎると鬱になりませんか?

受講生

なります!すごくなります!今の仕事場でなっています!

仲田

それは、転職するのも一つの手ですよ…。

受講生

3年は頑張りたいんですよ~。

仲田

無理せず、応援しています。また分からないことがあれば療法士活性化委員会のセミナーでお伝えしますよ。

受講生

ありがとうございます!

⚠️ 慢性的なストレスは心身の健康に深刻な影響を与える可能性があります。無理をせず、必要に応じて専門家に相談することが大切です。

まとめ

  1. ストレスはストレッサーに対して身体と心が適応しようとする自然な仕組み
    私たちの体が環境に適応するための重要な反応システムです。
  2. 良いストレス(短期)は味方、悪いストレス(長期)は敵
    適度な短期的ストレスは成長を促しますが、慢性的なストレスは健康を害します。
  3. 心と体をつなぐ警報装置のような存在
    ストレスは私たちに危険や変化を知らせる大切なサインです。

いかがだったでしょうか。ストレスについて正しく理解することで、より良い対処法が見つかるはずです。視野が広がり少しでも役に立てたのなら幸いです。

次回もまた、作業療法士の視点から皆さんの健康に役立つ情報をお届けする予定です。

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