みなさんこんにちは。作業療法士の仲田です。 現代社会において、ストレスは避けて通れない存在となっています。しかし、ストレスについて正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、ストレスと体の関係について、作業療法士の視点から詳しく解説していきます。
実際にZoomのナイトセミナー「OTしゃべり場」というADLなどを話し合う場で出てきたストレスと体に関する会話を一部お伝えしていきます。
ストレスとは何か?作業療法士が教える基本知識
ストレスを構成する3つの要素
ストレスの3つの構成要素
1. ストレッサー(刺激・要因)
外部要因:
外部要因:
- 環境的要因:暑さ、寒さ、騒音、混雑など
- 社会的要因:仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなど
内部要因:
- 身体的要因:病気、疲労、睡眠不足など
- 心理的要因:性格、考え方の癖、完璧主義など
2. ストレス反応(心身の変化)
- 身体的反応:心拍数・血圧の上昇、発汗、頭痛、免疫力の低下
- 心理的反応:不安、イライラ、落ち込み、無気力
- 行動的反応:飲酒量の増加、過食、不眠、集中力の低下
3. ストレス耐性(個人差)
- 遺伝的要因
- 過去の経験や学習
- サポート体制の充実度
- 対処スキルの有無
良いストレスと悪いストレス:その違いとは?
ユーストレス(良いストレス)とディストレス(悪いストレス)
ユーストレス(良いストレス)の特徴:
- 短期的で適度な刺激
- やる気や集中力を高める
- 成長や学習を促進する
- 達成感や充実感をもたらす
例:試験前の適度な緊張感、新しいチャレンジ、スポーツの試合前の興奮
ディストレス(悪いストレス)の特徴:
- 長期的または過度な刺激
- 心身の不調を引き起こす
- パフォーマンスを低下させる
- 健康問題のリスクを高める
例:慢性的な過労、人間関係の深刻な悩み、経済的な不安
ストレスと上手く付き合うために
⚠️ 慢性的なストレスは心身の健康に深刻な影響を与える可能性があります。無理をせず、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
まとめ
- ストレスはストレッサーに対して身体と心が適応しようとする自然な仕組み
私たちの体が環境に適応するための重要な反応システムです。 - 良いストレス(短期)は味方、悪いストレス(長期)は敵
適度な短期的ストレスは成長を促しますが、慢性的なストレスは健康を害します。 - 心と体をつなぐ警報装置のような存在
ストレスは私たちに危険や変化を知らせる大切なサインです。
いかがだったでしょうか。ストレスについて正しく理解することで、より良い対処法が見つかるはずです。視野が広がり少しでも役に立てたのなら幸いです。
次回もまた、作業療法士の視点から皆さんの健康に役立つ情報をお届けする予定です。
作業療法士として更なるスキルアップを目指す方へ
療法士活性化委員会では、理学療法士・作業療法士の皆さんの臨床の悩みや技術向上をサポートするためのセミナーや講座を多数開催しています。ストレス管理も含めた包括的なアプローチを学びませんか?