寝たきりの方への介入方法についてfrom リハコヤ

寝たきりの方への介入方法についてfrom リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

 

本日はROM訓練について考えていきたいと思います。

 

 

ROM訓練の目的は?

 

臨床でROM訓練をするときに、何度も繰り返し動かすと思いますが、そのときに、「何度も繰り返す意味ってなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

 

関節可動域の拡大を目的にROM訓練をするのであれば、繰り返し動かすよりも、原因となっている筋や組織に直接アプローチをした方が早いと思います。

 

何度も繰り返し動かす理由は、運動を再学習させるためです。

繰り返し動かすことによってシナプスの伝達効率が向上します。

 

さらに、ROM訓練を行うことで血流の増大をすることができます。

私は寝たきりの方に対して介入するときに、その人が楽に生きられるためには何ができるかを考えます。

例えば、呼吸が楽にできるか、身体が縮こまって身体がベッドから浮いて固まってしまっていないか、などです。これらによって関節拘縮が起こると、身体を動かすのが大変になってしまいます。

寝たきりの人は呼吸を確保することと関節可動域を確保することが大切

 

看護師や介護士などその方に関わる他職種に話を聞いても、もう少し足が開けばオムツ交換が楽になる、もう少し股関節が屈曲すれば座位保持が楽になる等の声が聞かれます。

そのためにもROM訓練を行い、血流を増大させることが重要であるとわかります。

 

ある文献には、4週にわたって1日2回(30分、5回/週)のROM訓練をすることで血流が増大しているという記録もあります。

療法士が介入できる時間は限られていますが、その中でもある程度血流を確保しておくことが大切です。その血流を増大させるためにはROM訓練を反復することが大切です。

 

 

ROM訓練のポイントとは?

 

血流の増大が目的なので、まずは動かしやすい方向に動かしていきます。動かしやすい方向への運動がスムーズになってきたところで、動かしにくい方向へも繰り返し動かします。

 

以上のことから、寝たきりの状態の方にも療法士が関わる意味はあると思います。しかし、療法士の介入時間だけでは時間が不足しているので、可能であれば、介護士や看護師と協力して1日2回を確保することが望ましいです。

支援プログラムにROM訓練を入れ、他職種にやり方を指導することで、血流を確保し関節可動域の維持をすることができます。

他職種とうまく連携をし、その人が生きやすい、看護師・介護士が看護・介護しやすい状態を作りましょう。

また、他職種に伝える時は、なぜそれをやるのか、その目的をしっかりと伝えるようにしましょう。

 

 

まとめ

 

寝たきりの方への介入方法について

1. 寝たきりの方へ介入するときは、その方が少しでも楽に過ごせるように呼吸の確保と関節可動域の確保が大切である。

2. 寝たきりの方へROM訓練を行うときには、血流の増大が目的なので、動かしやすい方向に動かしてから、動かしにくい方向へ動かす。

3. 療法士の介入だけでは時間が不足するので、他職種への連携を求め、その際にはROM訓練をする目的をしっかりと伝える。

 

 

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