ROMの改善にはまず原因となるend feelを評価する
みなさんこんにちは療法士活性化委員会の大塚です。
前回は「動作を行うにはまず可動域が必要」
というお話をしました。
>>>『赤ちゃんの身体が柔らかいのは何故?』
みなさんの臨床でも関節可動域訓練(ROMex)を行うと思いますが
実際どのくらい効果を感じていますか?
僕の場合は最初ほとんど効果を感じられていませんでした。
その原因は関節可動域訓練(ROMex)を効果的に行うための3つのポイントを知らなかったからなんです。
その3つのポイントとは
- end feelを明確にする
- end feelに対して適切な介入をする
- 変化した可動域を維持するために動作に繋げる
です。
僕が行っていたのはほとんどがストレッチや関節の屈曲・伸展などを繰り返す程度
end feelも考えずに行っていましたから効果なんて期待できません。
では効果的な関節可動域訓練を行うにはどうすればいいか?
まずは第1段階
end feelを明確にすることです。
特定の関節に可動域制限がある場合
まずはend feelを3つに分けてどれに当てはまるか明確にしましょう。
- 骨性
- 関節包・靭帯性
- 軟部組織性(筋肉など)
このどれに当てはまるかで介入方法が変わります。
骨性 → OPE、代償動作
関節包・靭帯性 → 関節モビライゼーション
軟部組織性 → 筋膜リリース・PIR
などが挙げられます。
例えば股関節の屈曲の可動域制限に対する介入をしてみましょう。
膝関節屈曲位での股関節屈曲 → 120°
膝関節伸展位での股関節屈曲 → 60°
この場合のend feelはハムストリングスによる軟部組織性のものが考えられます。
ではハムストリングスに対してPIR(等尺性収縮後の筋弛緩)を用いて介入をしてみましょう。
方法は
- 膝関節伸展位での股関節屈曲をend feelの一歩手前の位置に持って行く
- その肢位のまま膝関節屈曲の等尺生収縮を行う(ハムストリングス)7〜10秒間
- 再度膝関節伸展位での股関節屈曲をend feelまで行う
この方法で膝関節屈曲位・伸展位どちらの可動域も変化するならばハムストリングスが制限因子であることがわかります。
もし膝関節屈曲位での股関節屈曲の可動域が変わらなければ大殿筋の問題も考えられるため股関節伸展でPIRを行ってみましょう。
もちろんそもそも股関節自体の動きがなければ可動域は得られませんから
股関節のモビライゼーションも必要になる可能性があります。
その場合は関節包・靭帯性のend feelを評価しましょう。
このように関節可動域訓練もend feelを明確にし、適切な介入を行うことで
効果的に行うことができるようになります。
みなさんも臨床で可動域訓練を行う際はまずend feelを明確にしてみましょう。
まとめ
・関節可動域訓練を行うには3つのポイントがある
・最初はend feelを明確にする必要がある
・end feelによって介入方法が変わる
です。
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療法士活性化委員会
委員長 大塚 久
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