こんにちは!
患者さん・利用者さんの問題点を一緒にさがす!を基本にしている加藤です。
先日、療法士が臨床の悩みを気軽に相談できるリハコヤにて、皮膚性のROM制限に注目しているか、どうか?という話題をあげてみました。その結果、みている療法士とみていない療法士が見事に分かれていましたね。そこで、私が実施していたリハビリにおける皮膚の見方をみなさんにも共有させてください!
そもそも、「皮膚のROM制限ってなんぞや」という方はいますか?
試しに、肘頭周囲の皮膚をつまんで肘関節の屈伸をしてみてください。屈曲の最終域でつまるような感覚になるのではないでしょうか?
どうでしょう・・・・ちょっとだけイメージ湧いてきましたか?
では、リハビリにおける皮膚の役割って、いったいどのようなものなのでしょう。さっそく下記でご説明します。
目次
1 皮膚の役割ってどういうもの?
2 皮膚に介入するメリットは?
3 どんな領域で使える?
4 各関節で共通する介入方法
5 まとめ
皮膚の役割ってどういうもの?
ヒトの身体全体を覆う皮膚は,成人で面積が1.6 m2,重量は体重の約16%を占める人体で最大の臓器である. 界と直接触れるため,1水分の喪失や透過を防ぐ,2体温を調節する,3微生物や物理化学的な刺激から生体 守る,4感覚器としての役割を果たすなど,生命を維持するための必要不可欠なさまざまな機能をもっている.
(引用:新しい皮膚科学 第2版)
とされています。
皮膚に介入するメリットは?
皮膚運動学によると、関節が動くに伴い皮膚には動く方向に一定の法則があるとされています。つまり、皮膚がしっかりと動かないと、関節が動かしにくくなるということが言えますね。
このことを患者さんと療法士の双方の視点から、皮膚に介入できるメリットをまとめました。
患者さん・利用者さんのメリット
手術後によく聞かれる訴えで
「なんかつっぱるんだよ」という声を聞いたことはありませんか?
これは手術痕の瘢痕形成が進み、皮膚の柔軟性が低下している状態です。つまり、この皮膚の柔軟性に対してアプローチできることで、皮膚がつっぱるという不快な主訴が解決できるようになります。
療法士のメリット
手術後の関節可動域の制限には色々な要素があります。それを消去法で解決することで、機能改善が測れます。
つまり、皮膚への介入ができることで、皮膚性のROM制限の因子が消去でき、他の要因を探すことができるようになります。
どんな領域で使えるの?
私が考えられる皮膚への介入が必要な領域は以下の通りになっています。
- 急性期
- 回復期
- 生活期
つまり全部の領域です(笑)
先ほどお話しましたが、手術痕があり瘢痕形成が進んだ後、柔軟性がない場合は必ず介入するべき内容であると考えています。
各関節で共通する介入方法
皮膚は関節運動に伴い一定の方向に動く法則があります。
その法則を簡単に見つけられる方法があります。それが『しわ』を見ることです。
瘢痕形成が進み『しわ』がない時には対側の同じ部位を見てみてください。そこのシワがその関節に必要な皮膚が動く方向です。つまりこの『しわ』をつくる作業が皮膚への介入なのです。
まとめ
急性期に異動し、皮膚への介入に悩んでいた時の自分のためにこのコラムを書きました。
とわいえ、今回書いた内容は、あくまでも最低限見ている特徴でしかなく、結局のところ、患者さん・利用者さんのタイプによって、最適な介入は異なります。
もし、その最適な介入方法を知りたい場合は触診・評価・動作分析を学んでみませんか?
療法士活性化委員会では、この評価・解釈を学べる場を用意しております。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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療法士活性化委員会
認定講師
作業療法士 加藤 淳