こんにちは、臨床3年目くらいまで「機能が改善すればADLも変化するはず!」と思い込んでいた療法士活性化委員会委員長の大塚です。
今回はROMexなどに代表される機能訓練をADLに結びつける方法についてお伝えします。
ポイントは意識的な運動から無意識で使うです。方法は1、単一関節の他動運動を行う、2、単一関節の自動運動を行う、3、複合的に関節運動を行うため動作訓練を行う、4、無意識で使えるようにADL訓練を行うです。それでは詳しくみてみましょう。
ROMexの目的
- 非活動性によっておこる拘縮の防止、及び改善
- 固有受容器を刺激することによる運動覚、位置覚の再教育
- 関節を動かすことによる関節機能の正常化
- 肢位の変化による血流の改善
- 筋の短縮の防止、および改善
- 日常生活動作能力の改善
です。6にある通り日常生活動作の改善も目的に含まれます。ではなぜROMexがADLに結びつかないのでしょうか?
他動運動と自動運動
ROMexを行う時多くの療法士は他動運動での可動域訓練をイメージするのではないでしょうか?これももちろん大事なのですが、実は他動で動かしているため、筋での制御ができていない状態です。そこで自動運動、または自動介助運動で他動運動での可動域を自身の筋の収縮で動かせるようにしましょう。その際の最低限の目標はMMT3レベルです。
意識的な運動をADLに結びつけるには
ここまでは単一の関節の動きでした。でも日常生活では単一の関節だけの動きはほとんどありません、そこで基本動作訓練を行うことで単一関節の運動から複合的な運動をできるようにしていきます。
例えば
- 股関節屈曲・伸展の他動、自動運動を行う →目標MMT3
- 起立・着座動作訓練を行う →股関節の屈曲・伸展の複合的な動きを重力に抗して行う
のようになります。
基本動作から目的動作へ
実はこれでもまだ日常生活には反映されません。それは基本動作は“意識して”動作を行なっているからです。日常での動作は“無意識”で行なっています。そのため、別の目的を設定して動作訓練を行いましょう。
例えば
- 股関節屈曲・伸展の他動、自動運動を行う →目標MMT3
- 起立・着座動作訓練を行う →股関節の屈曲・伸展の複合的な動きを重力に抗して行う
- 下に置いてある輪を立って届く場所にかけてもらう動作を繰り返す →「輪を拾ってかける」が目的で、そのために必要な起立・着座は無意識で行えるようにする
のような形で別の目的を設定して動作を行なってみましょう。
そもそも関節や筋肉が使いにくい状態だったら?
他動運動、自動運動、動作訓練に限らずそもそも関節や筋肉が動きづらい場合、効率的に練習を行うことができません。まず関節や筋を動きやすい状態にしてからROMexを行なってみましょう。
関節や筋を動きやすい状態にするには関節モビライゼーション、筋膜のリリースなどを行なってみましょう。
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まとめ
ROMexを日常生活に結びつけるには
- 他動運動に加えて、自動介助運動、自動運動を行う
- 動作の中で意識的に動かす
- 目的を設定して無意識で使えるようにする
をポイントに行なってみてください。
生活に繋がるようにROMexを行なってみませんか?>>>【触診が苦手な方限定】ROMexを効率的に行うための触診・アプローチ法セミナー
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