毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう。
第55回理学療法士国家試験 午前 第一問
問題 病気Xの有無を調べる検査の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を表に示す。正しいのはどれか2つ選べ。
- 感度 80%
- 特異度 95%
- 陽性的中率 85%
- 陰性的中率 90%
- 病気Xに罹患している人で、検査が正しく陽性と判定された確率は85%である。
- 病気Xに罹患していない人で、検査が正しく陰性と判定された確率は95%である。
- 病気Xを判定する検査が陽性の場合、真に病気Xに罹患している確率は80%である。
- 病気Xを判定する検査が陰性の場合、真に病気Xに罹患している確率は15%である。
- 病気Xを判定する検査が陰性の場合、真に病気Xに罹患していない確率は90%である。
解答
2、5
解説
- 感度:疾患があるの人の中で検査陽性となる確率
- 特異度:疾患なしの人の中で検査陰性となる確率
- 陽性的中率:検査陽性の中で疾患ががある人の確率
- 陰性的中率:検査陰性の中で疾患がない人の確率
となります。
なのでこれを問題文に当てはめると
- 病気Xに罹患している人で、検査が正しく陽性と判定された確率は85%である。
→感度 - 病気Xに罹患していない人で、検査が正しく陰性と判定された確率は95%である。
→特異度 - 病気Xを判定する検査が陽性の場合、真に病気Xに罹患している確率は80%である。
→陽性的中率 - 病気Xを判定する検査が陰性の場合、真に病気Xに罹患している確率は15%である。
→陰性的中率 - 病気Xを判定する検査が陰性の場合、真に病気Xに罹患していない確率は90%である。
→陰性的中率
なので解答は2、5になります。
本当ならば感度も特異度も100%が望ましいですが、残念ながらそういった検査はありません。ある基準で陽性、陰性を分けています。その分けている基準が域値(カットオフ値)です。
これを臨床で活かすには?
臨床で使う検査バッテリーには感度や特異度、カットオフ値が決まっています。
例えば
改訂 長谷川式簡易知能評価スケール ( HDS-R)であれば
最高30点満点 カットオフ値 20点以下で認知症の疑い、21点以上で正常とした場合
感度:93%、特異度:86%
となります。
大切なのはどちらにしても100%にはなりません。スクリーニング検査の後により特異度の高い検査を行い鑑別してきましょう。
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参考文献・資料
- 加藤 伸司,他:「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS- R)の作成」,老年精神医学雑誌,1991; 2: 1339–1347.
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