こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
みなさんリハビリで介入した時にROMなどの徒手的なもの以外に運動療法も行うと思います。でもこの運動療法って正直どんなものやっていいか分からなくないですか?実は僕もトレーニングの本を読んだり、教科書を読んだりしてそれに乗っている運動をそのままやってみたりしていました。でも難しすぎると失敗体験で自己効力感が損なわれるし、簡単すぎると運動の効果が出ないしで、相当悩んだ覚えがあります。そこで今回は運動療法についてお伝えしていこうと思います。
運動療法とは?
運動療法とは運動を行うことで、障害や疾患の治療を行う療法。
厚生労働省 eヘルスケアネット 運動療法 より引用
とされています。
「理学療法士及び作業療法士法」第2条にも「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています。
リハビリの中で運動療法は必要な手段の一つになります。
運動療法のポイント
大きく分けると
- 目的
- 重力の影響
- 支持基底面
の3つがポイントなります。
では一つづつ解説していきましょう。
運動療法の目的
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症・虚血性心疾患等の疾患に対して行う、血圧の低下、血糖値の低下、糖代謝の改善を目的とした運動療法
- 特定の動作を反復することによる動作の学習を目的とした運動療法
に分けられます。
目的を明確にすることでどんな運動をどの程度行うかが決まってきます。
例えばトイレ動作の中で立ち座りがうまくできないとなれば立ち上がりやスクワットなどの運動を行うかもしれません。目的とする動作に必要な動きを抽出してみましょう。
重力の影響
運動療法を行う際にポイントとなるのが重力の影響です。もし単純に関節運動の方向を学習したい場合は重力除去位、関節運動と筋の制御を行いたい場合は抗重力位で行いましょう。
また単純に重力に抗するだけの筋力がない場合は重力除去位から運動を行っていきましょう。
ここで発揮できる筋力以上の負荷がかかると代償動作で運動を行ってしまい、その代償動作を学習してしまうので注意が必要です。負荷が適切かどうかは代償動作の有無で確認しましょう。
例)
股関節の屈曲/伸展の運動
- 重力除去位: 側臥位、下肢を支持した状態(レッドコードがあれば使うといいです)で股関節の屈曲/伸展
- 抗重力位:背臥位で股関節90°まで屈曲、腹臥位で股関節伸展
肩関節の屈曲/伸展
- 重力除去位: 側臥位、上肢を支持した状態(レッドコードがあれば使うといいです)で肩関節の屈曲/伸展
- 抗重力位:坐位で肩関節の屈曲/伸展
支持基底面
支持基底面が広い場合は姿勢の維持する必要性が低いためより簡単、支持基底面が狭くなれば姿勢を維持する必要があるためより困難な運動となります。
臥位→四つ這い→坐位→立位→歩行
の順で難易度が上がります。
現状の能力以上の姿勢制御が必要な支持基底面で運動を行った場合は、姿勢維持のために過剰な筋の緊張がみられます。運動前にすでに筋の緊張が上がっている場合は一つ難易度を落とした肢位で行いましょう。
まとめ
運動療法のポイントは
- 目的から必要な運動を考える
- 筋力に合わせた負荷量を設定する(基準:代償動作の有無)
- 能力に合わせた支持基底面を設定する(基準:過剰な姿勢筋緊張)
適切な運動を行うことで動作はやりやすくなります。もし運動療法後に動きにくくなっている場合は動作目的、負荷の量、支持基底面を確認してみてください。
療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
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