小児自閉症患者に勧める活動として最も適しているのは? from リハコヤ

小児自閉症患者に勧める活動として最も適しているのは? from リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

小児自閉症患者に勧める活動として最も適しているのは?

  1. トランポリン
  2. ままごとで父親役
  3. テレビをみながら宿題
  4. 野球のキャッチボール
  5. 苦手な感覚を繰り返す

答えは1です。

今回は国家試験の問題から抜粋してみました。

この問題でちょっと危険だなと感じたのが、この答えにあてはめてしまうのではないかと言うことです。大事なことは自閉症=トランポリンという形ではなく、「なぜこの活動を選んだのか?」という過程が大事です。それが臨床でみなさんがやる評価です。

なぜこの活動を選ぶのかを考えてみてください。

自閉症の疾患の特徴

感覚統合がうまく行ってない患者様が多くいます。そこで触覚刺激、前庭覚刺激が有効な場合があるため、1のトランポリンが解答となるんだろうなと思うのですが、正直問題文だけでは判断つきません。

例えば

2、ままごとで父親役

難しい課題です。自分のと他者とのコミュニケーションが苦手で、自分の欲求を表出できないので社会的な役割が難しいことが多くあります。なので不適切となりますが、ただし、自閉症が軽度で、これから社会に出て役割を持つことが想定されるのであれば有効になります。

3、テレビをみながら宿題

自閉症を持っている場合、すべての刺激に敏感なため注意が散漫になり、それによって疲労しやすいということがあります。なので問題としては不適切ですが、例えばこれから社会に出ていくにあたって、まず慣れたお家という環境の中で注意が分散された状態での訓練するということは有効となります。

4、の野球のキャッチボール

触覚刺激、前庭覚刺激がしっかりしていて、発達段階として視空間認知の獲得が必要な段階であれば有効になります。

なぜこんなことがおこるのか?

それは評価をしていないからです。問題文のように

この疾患にはこの介入

と決めてしまうのはナンセンスです。
疾患で介入法を選ぶのではなく、評価を行うようにしましょう。

まとめ

小児自閉症患者に勧める活動として最も適しているのは?

  1. 疾患名で介入方法を決めるのは危険
  2. 対象者の障害像を含めて評価をする
  3. 評価をした上で適切な介入方法を選択する

時間がないし、めんどくさいから評価はそこそこに疾患に合わせて介入を選んでしまいがちですが、疾患だけでなく対象の方の障害像を含めて評価し、適切な介入方法を選択しましょう。

オンラインコミュニティ『リハコヤ』では、毎週2回こう言った内容をライブ配信しています。興味がある方はぜひお越しください。
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