こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
前回は椎間板性腰痛についてお伝えしました。
>>>椎間関節性腰痛について勉強してみた
今回は椎間関節性腰痛についてお伝えしていきます。
動きからみた腰痛の分類
以前症状の発生する部位から見た腰痛の分類として、
- 関節性
- 神経根性
- 筋・筋膜性
の分類を紹介しました。
その中の1,関節性に分類されるものとして
- 椎間関節性
- 仙腸関節性
の2つがあります。
今回はこの中の椎間関節性腰痛について考えてみましょう。
腰椎椎間関節の特徴
腰椎の椎間関節は地面に対して垂直に向き合う構造をしており、
- 屈曲→適合が少ない
- 深屈曲→適合が一番少なく、適合している所に圧がかかる
- 伸展→適合が多い(圧力が高まる)
となります。
また
- 回旋
- 側屈
の動きは苦手です。
なので
- 立ち上がり
- 寝返り
- 体を反る
といった動作のときに症状が出現しやすいです。
椎間関節の神経分布
椎間関節の関節包には侵害受容器が豊富にあり、脊髄神経後枝内側枝による支配を受けています。
この脊髄神経後枝内側枝は多裂筋も支配しており、椎間関節性の腰痛が起きている場合は多裂筋にも過剰な筋収縮が認められることがあります。
評価
動作の評価
坐位または立位での体幹の
- 前屈
- 伸展
- 回旋・側屈
の評価を行います。
この評価では
- 動作時の脊柱分節性:分節的でない場合は過剰に動いている椎間関節の問題が考えられる
- 痛みや違和感の有無、部位:痛みの場所が限局的で棘突起の1〜2横指外側に出れば椎間関節の問題が考えられる
- 可動範囲:現状把握と効果判定に用いる
を観察します。
整形外科的テスト
- Kempテスト
- FNSテスト
- SLRテスト
- PLFテスト
- 感覚検査
- 腱反射検査
を行います。
このテストで神経学的な所見が見られれば脊柱菅狭窄症や椎間板ヘルニアの可能性が考えられます。
同じ動作で違和感が限局的で棘突起の1〜2横指外側に出れば椎間関節性の問題が考えられます。
触診
棘突起の1〜2横指外側に圧痛があれば椎間関節性の問題が考えられます。
動作・整形外科テスト・触診を統合して解釈します。一つの検査だけでは問題部位の特定はできません。もちろんこの評価を行っても問題部位が特定できない場合もあるので、治療的な評価も併せて行いましょう。
アプローチ法
脊柱のモビライゼーション
多裂筋のリリース
問題となっている部位の徒手的な介入と合わせて痛みのない範囲での運動療法も合わせて行いましょう。
まとめ
椎間関節性腰痛について勉強してみた
- 深屈曲・後屈で問題が出やすい
- 多裂筋に過剰な収縮が在ることが多い
- 一つの評価だけでなく複数の評価から統合して解釈する
臨床で悩む療法士のためのオンラインコミュティ“リハコヤ”
>>>リハコヤ
療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?
参考文献
- 山下 敏彦 椎間関節性腰痛の基礎 日本腰痛会誌,13(1): 24 – 30, 2007
- 進藤 久夫 ヒト成人および胎児の腰部多裂筋の解剖 神経分布形態からの検討 日医大誌 第62巻 第5号 1995
記事の目次ページへ →
この記事が「おもしろい!」「為になった!」と思ってくださった方は、ぜひ「シェア」や「いいね!」をお願いします!!
今すぐ「いいね!」ボタンを押して「療法士のためのお役立ち情報」をチェック!
↓ ↓ ↓ ↓