こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
肩関節周囲炎のリハビリのポイントについて 〜肩甲上腕リズムの評価と介入〜
前回、肩関節のROMの評価について
- ADLのどの動作で困っているのかを明確にする
- 症状が出ている部位と痛みが出ている部位は違う
- 立位→坐位→臥位の順で同じ肩の挙上を評価することでどこの問題かスクリーニングする
がポイントだとお伝えしました。
>>>肩関節周囲炎のリハビリのポイントについて 〜肩関節のROMの評価〜
今回は肩甲上腕リズムの評価についてお伝えしていきます。
肩甲上腕リズムについて
肩甲上腕リズムは肩関節を外転すると、最初に肩甲上腕関節が動き出し、約30°ぐらいから肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節が2対1の割合で動き出し、その後肩甲胸郭関節だけが動くというものです。この割合や動き出しの角度については様々な研究があり、一定の見解は得られていません。大まかに
肩関節を外転していくと30°〜45°くらいで肩甲骨が動き出す
と覚えておきましょう。
肩甲上腕リズムを評価する時の肢位について
前回の肩関節のROMの記事と同じように
- 立位
- 坐位
- 臥位
それぞれで評価しましょう。理由は肩甲骨に問題があるのか、体幹に問題があるのか、下肢に問題があるのかをスクリーニングするためです。詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>>肩関節周囲炎のリハビリのポイントについて 〜肩関節のROMの評価〜
肩甲上腕リズムの評価
立位、坐位では肩甲骨に背面から手を当て、動きを評価してみましょう。
臥位では肩甲骨の外側縁を触診し、動きを評価してみましょう。
どちらも肩関節外転30°〜45°で肩甲骨が動き出したら正常と判断します。もちろんこの角度で動き出すことが正常とは言い切れませんが、ここでは一度正常と仮定し、評価を進めていきます。もし他の部位で問題が見つからなければ戻るようにしましょう。
30°より早く肩甲骨が動き出した場合
肩甲上腕関節の可動性に問題があると考えられます。正常であれば肩甲上腕関節は30°動くはずです。それ以下ということは肩甲上腕関節に問題があります。
45°を超えても動き出さない場合
肩甲胸郭関節に問題があると考えられます。肩甲骨の動きそのものか、動きを制御している筋肉のどちらかかをさらに評価していきましょう。
肩甲胸郭関節の評価
肩甲胸郭関節は解剖学的関節ではなく、機能的関節です。なので運動は鎖骨を支点にして行われています。そこで肩甲胸郭関節を評価するためには前提として、
- 胸鎖関節
- 肩鎖関節
の動きが出ることが必要になります。まずこの2つの関節の動きを評価しましょう。
関節の動きが確認できたら筋肉の動き
胸鎖関節、肩鎖関節の動きを確認したら肩甲骨を制御している筋肉の評価を行いましょう。
肩甲骨と体幹に起始と停止を持つ筋肉は
- 僧帽筋上部
- 僧帽筋中部
- 僧帽筋下部
- 大菱形筋
- 小菱形筋
- 前鋸筋
- 小胸筋
- 広背筋
があります。これらをすべて評価してきましょう。
評価を行い問題があった部位に対して介入を行い、再評価を行います。
胸鎖関節・肩鎖関節のモビライゼーション
肩甲胸郭関節のモビライゼーション
小胸筋のリリース
僧帽筋のリリース
徒手的な介入だけだと一時的な変化となります。必ずその後に運動療法を行い、運動学習を促していきましょう。ポイントは肩甲上腕リズムの動きを学習してもらうことです。
まとめ
肩関節周囲炎のリハビリのポイントについて 〜肩甲上腕リズムの評価と介入〜
- 肩関節を外転していくと30°〜45°くらいで肩甲骨が動き出す
- 前提として胸鎖関節・肩鎖関節の動きが必要になる
- 制御している筋肉の評価を行う
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