毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
前回まで立ち上がりとアクティビティについてお話ししてきました。
前回の記事はこちら↓
動作と作業をどう繋げていくかというと、まず動作分析からできない動きを抽出します。その動きを促すアクティビティを模索していきます。そして、アクティビティから動きを取得し、動作に反映させていきます。
手に関しても同様に、動かない・動かしにくいという人に対して、どこが動かしにくくなっているのかをしっかりと模索していきましょう。そして、それを促すアクティビティを考えることが重要です。
今回は「つまみ動作」に焦点を当てていきます。
ご高齢の方や疾患を抱えている方など、つまみ動作がうまくできない方も多くいらっしゃいます。
この写真のように、手のひらが平べったい方、見たことありませんか?
このような手では物を上手くつまむことは難しいです。つまみ動作ができないと、日常生活に不便さが生まれてきます。
では、なぜこのようになってしまったのでしょうか?
手のアーチを作り出すのに必要な機能解剖
手のアーチというと、MP関節やPIP関節、DIP関節に目が行きがちですが、実はCM関節がすごく重要です。
CM関節には2つの役割があります。
第2・3指のCM関節は遠位手根骨に強固に結合され、手全体の安定性に寄与します。
第1・4・5指のCM関節は可動性があり、真ん中に集めるように手の形を変えることができます。つまりアーチを作り出して手の形を決めています。
これにより様々な物に適合して物を持つことが可能です。
手のアーチを促すアクティビティ
では、どのように促していけば良いでしょうか?
アーチを作り出すには第1・4・5指のCM関節の動きが必要ですが、これらの指でものをつかむことはあまりありません。物をつかむ時は第1・2指や第1・3指を使うことが多いです。
なので、第4・5指のCM関節はアーチを作り出し、第1指のCM関節は対立動作にも働きます。つまりアーチを作りながら対立運動をしていくということが重要になってきます。
ペグ動作では第1・2指しか使わないことが多いです。
ではどのようなものを使用するのかというと、私はスティックのりやホワイトボードマーカーを使用しています。
第4・5指でスティックのりを把持した状態でつまみ動作をします。
これによってアーチを作りながら対立運動・つまみ動作を促すことができます。
まとめ
手のアーチを促すアクティビティ
1. 手のアーチを作り出すにはCM関節が重要である。
2. 第2・3指のCM関節は安定性に寄与し、第1・4・5指はアーチを作り出す。
3. スティックのりなどある程度太さのあるものを第4・5指で把持しながら第1・2・3指でつまみ動作を行うことで、アーチを作りながら動作を促すことができる。
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