こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
本日も前回に引き続き、物理についてお話ししていきたいと思います。
前回の記事はこちら↓
圧力とは?
圧力とは、単位面積について垂直に働く力のことで、面積あたりの力の大きさを示します。
単位は国際単位系(SI)ではパスカル(Pa)を使用します。
1Pa=1N/m2≒0.1kgf/m2
1m×1mの面(1m2)があるとして、ここにかかる圧を求めたものが圧力です。例えば、この1m2の面に2Nの力があったとすると、2Paの圧力がかかっていると求めることができます。
圧力を臨床でどのように応用するか?
圧力を加える面積が小さければ小さいほど、そこにかかる圧力は大きくなります。このことから、患者さん・利用者さんを触診する際に面積の狭い指先で触診をしようとすると多くの圧力がかかることがわかります。
例えば、肩甲骨を動かす際に内側縁と外側縁を掴んで動かそうとすると不快な刺激になります。肩甲骨は比較的表層にあるので、面で触れて動かしましょう。反対に、椎間関節のように少し深いところにある部位を触れる場合は、指尖を使用して圧力をかけると触れやすくなります。
このように、触診の際はどの深さの組織をどのくらいの圧力で触りたいのかを考えると、手の使い方が変わってきます。
Paとは?
Pa(パスカル)は気圧の単位でもあります。
気圧は海抜0mのところを1気圧とします。上に上がれば上がるほど空気の圧は減っていきます。山の上にポテトチップスを持っていくと袋がパンパンに膨れるのをみたことがあると思います。これは、標高の高いところに行くと空気の圧が減って外から押す力が小さくなるためです。同じように、私たちは何もしていない状態でも空気の圧を感じていることになります。空気の圧を感じると私たちの身体も内側から押し上げるように筋力を使って圧を高めようとします。このような気圧や重力などを安静状態でもある程度身体に加えられています。
空気の圧よりも圧が多いのが水圧です。
海底にカップラーメンを沈めていくとすごく小さくなります。それと同じように、水の中に入ると、水から加わる圧が増えるので、空気圧と水圧がかかります。水中で運動すると効果が高いというのは、これが理由です。
応力とは?
応力とは、物体の内部に働く力を面積あたりで表したものです。これは物体の変形や破壊に関わる重要な概念になってきます。
単位はN/mm2です。
応力は内部で働く力を面積で割ったものです。
先ほどお伝えした圧力というのは表面で感じている力です。そして、その圧力によってその内部でどのような影響が起きているかが応力になります。
例えば、バナナを両手で持って折ったり引っ張ったりしたときに、折れたり弾けた面にかかっている力のことを応力と言います。
面積が狭いほど応力が大きいので、細いものと太いものならば細いものの方が折れやすいということになります。
応力には種類があります。
引張応力(引っ張られる力)、圧縮応力(圧迫される力)、せん断応力、曲げ応力などがあります。
バナナを折る時に、折れた断面のうち上側には引っ張られる力が生じるので引張応力が、下側には圧迫れる力が生じるので圧縮応力がかかります。
応力を臨床でどのように応用するか?
これらの応力の種類のうち、臨床で知っておいた方が良いものは、引張応力、圧縮応力、せん断応力です。
これらを応用した技術が関節モビライゼーションです。
力が伝わりやすいのは、その面に対して垂直か平行にかかる力です。前回のベクトルの話でも、斜めの力は垂直か平行かに合成・分解しました。
なので、関節モビライゼーションでも関節面に対して垂直か平行かを理解すると、応力として関節への影響を与えやすくします。
関節の垂直方向・平行方向はどの向きなのかというと、関節の凹面に対して垂直か平行かを意識してみると良いと思います。
まとめ
リハビリに必要な物理学について〜圧力と応力〜
1. 圧力は面積あたりの力の大きさを示す。広い面積で触れるとやさしい圧に、小さい面積で触れると強い・深い圧になるので、患者さん・利用者さんに触れる時には触れる手の面積を意識する。
2. 応力は物体の内部に働く力を面積あたりで示したもの。垂直方向や平行方向への応力がある。
3. 関節モビライゼーションを行う際は、関節面に対して垂直か平行かを意識して動かす。
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