リハビリに必要な物理学について〜波動の応用〜

リハビリにおける波動の応用:振動トレーニングと超音波治療

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

本日も物理についてお話ししていきたいと思います。

今回は波動がリハビリの場面で実際にどのように応用されているかお話しします。

リハビリでの波動の応用:振動トレーニングと超音波治療

リハビリの場面では、波動は主に振動トレーニングや超音波治療に応用されています。

振動トレーニング:筋力と骨密度の向上

振動トレーニングは、WBVTという機械を用いた全身振動トレーニングがあり、これは筋力の向上や骨密度の改善、バランス能力の向上などができるものです。

骨は振動が伝わらないとカルシウムが沈着しません。骨に振動が加わることによって、そこに微細な電気が発生します。その電気が発生したところにカルシウムイオンが付くことで骨化されます。なので、振動が加わらないと、つまり荷重が加わらないと骨は強くなりません。単純にカルシウムを摂ったり日に当たったりすれば良いというわけではなく、骨を強くするためには、骨を作る元になるカルシウムとそれを骨に沈着しやすくするビタミンD、そしてビタミンDを活性化ビタミンDに変えるための紫外線、振動刺激が加わることによって、骨密度が上がります。

筋力が向上し、骨密度が改善するとバランス能力も向上してきます。バランス能力が向上してくると、筋肉が振動に対して感知しやすい状態になります。筋が少し伸ばされたらすぐに戻ろうと伸張反射が働き、バランスにおいても重心から離れて片方の筋肉が伸ばされたらその筋肉をすぐに縮めて戻す、というようにバランス能力が向上してきます。

先ほどお話ししたWBVTが無くても、結局は振動が身体に与えられれば良いので、極端な話、その場で足踏みをする、でも良いということです。その場で足踏みをすると足が着いたときに身体に振動が伝わります。この振動がちゃんと伝えられるような歩行などの運動療法が大事になってきます。

下肢は荷重をしっかりかけた運動療法が大事になってきます。上肢など荷重しない骨は、癒合し始めたら四つ這いや腹臥位などでしっかりと荷重していくことが大切です。

超音波治療:熱効果と非熱効果の解説

超音波治療には熱効果と非熱効果があります。

熱効果は、超音波が組織に吸収されることで熱に交換され、その熱で血流の改善や柔軟性の改善を目的とするものです。

超音波治療では、1MHzと3MHzがあり、振動数が少ない方がぶつかる回数が少ないのでより遠くまで届きます。なので、1MHzの方がより深部に効果があらわれます。

非熱効果は、機械的な振動によって組織が変化します。細胞自体も膜の透過性が変化したり、アポトーシスや細胞分裂などにも関わり代謝が行われやすくなったりもします。

超音波治療の図解

このように、波動はリハビリに結構応用されています。人の手で与えられる振動の量は限られてしまいますし、どれくらい深部まで振動を伝えられているかはわかりません。しかし、物理療法であれば、どれくらいの振動を与えることができていてどれくらいの深さまで振動を伝えられているのかのエビデンスがあります。物理療法の原理をしっかりと理解した上で活用してみましょう。

まとめ

  1. 波動は、リハビリの場面では主に振動トレーニングや超音波治療に応用されている。
  2. 振動トレーニングによって筋力の向上や骨密度の改善、バランス能力の向上ができる。
  3. 超音波治療などの物理療法は、原理や効果をしっかりと理解した上で活用すれば効果的である。

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