毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は手関節についてお伝えします。
手関節の解剖学について
手関節は、橈骨手根関節と手根中央関節の二つの関節から成っています。手関節というと、橈骨手根関節の方にばかり意識が向きがちですが、手根中央関節にも注目して介入してみてください。
手関節の運動学について
手関節は掌屈時、手根中央関節は35°、橈骨手根関節は50°動きます。
背屈時には掌屈時と逆になり、手根中央関節は50°、橈骨手根関節は35°動きます。
文献により可動域の角度は様々ですが、両関節とも動くということを頭に入れておきましょう。
また、尺屈は最終域に近づくとともに手根骨遠位列のみが動きます。
初動動作では橈骨手根関節も動き手根中央関節が動いて尺屈が完成されます。
橈屈では手根骨が全体として回転し始め、最終的に橈骨手根関節が動くことで近位手根列が動きます。
橈尺屈の場合も、橈骨手根関節と手根中央関節の両方が動くことが大切だということがわかります。
手関節をみるときのポイントは?
手根骨は8つの骨で構成されますが、その中でも特に月状骨と舟状骨に注目してみてください。
月状骨と有頭骨により形成される内側柱石と、舟状骨と大菱形骨と小菱形骨により形成される外側柱石が生じることが確認されています。手関節には沢山の靭帯が張り巡らされていますが、これらの柱石によって、手関節は靭帯の張力を保ちながら動くことができます。
なので、臨床で手関節を診る際には、月状骨と舟状骨の可動性に注目してみましょう。
手関節の可動性の見方は?
片方の手で手根骨を全体的に把持し、反対の手で橈骨を把持します。その状態で掌側・背側方向に手関節を動かしてみてください。このとき可動性があれば、橈骨手根関節は動いていると判断することができます。
手根中央関節をみる際には、まずは月状骨と舟状骨を触診できるようにしましょう。
月状骨は、手関節背側の中央にリスター結節があり、その末梢に凹みがあります。そこに触れたまま掌屈すると出てくる骨が月状骨です。月状骨とその先にある有頭骨を把持し動かすことで月状骨の可動性をみることができます。
また、舟状骨の触診の仕方は、橈骨茎状突起から末梢に辿ると凹みがあります。そこに触れたまま手関節を尺屈すると出てくるものが舟状骨です。その先の大菱形骨を触診し動かすことで舟状骨の可動性をみることができます。
ぜひ臨床に生かしてみてください。
まとめ
手関節のポイントについて
1. 手関節は、橈骨手根関節と手根中央関節の二つの関節から構成されているので、どちらも評価していく必要がある。
2. 月状骨と有頭骨により形成される内側柱石と、舟状骨と大菱形骨と小菱形骨により形成される外側柱石あり、これらの柱石によって手関節は靭帯の張力を保ちながら動くことができる。
3. 手関節をみるときには月状骨と舟状骨の可動性に注目する。
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