起き上がりの動作分析④ from リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

 

 

本日も起き上がりの動作分析についてお伝えします。

 

前回までの記事はこちら↓

起き上がりの動作分析① from リハコヤ

起き上がりの動作分析② from リハコヤ

起き上がりの動作分析③ from リハコヤ

 

 

起き上がりの第4相について

 

起き上がりの第4相は、on elbowからon handになるところです。このときに必要な要素は前腕の安定性と手関節の安定性です。

本日は手関節の安定性についてお伝えします。

 

 

手関節・手部の運動について

 

 

手関節について、教科書上では背屈・掌屈・橈屈・尺屈とありますが、実際にはこのような純粋な動きはしていません。日常的な手関節の動きの多くは、背屈をするときには橈屈を伴い、掌屈をするときには尺屈を伴います。

 

 

また、手関節は関節複合体であり、橈骨手根関節(橈骨下端と手根骨の近位列の間)と手根中央関節(近位と遠位手根列の間)から成ります。この二つの関節が動くことによって手関節は動きます。

 

 

手関節は、掌屈するときには手根中央関節が35°、橈骨手根関節が50°動きます。反対に、背屈するときには手根中央関節が50°、橈骨手根関節が35°動きます。

文献によって、反対に記載されている場合や二つの関節が50%ずつ動くと記載されている場合があります。どの場合も橈骨手根関節と手根中央関節の両方が動くことで手関節は動く、ということです。

 

 

 

橈尺屈の場合は、尺屈は最終域に近づくとともに手根骨遠位列のみが動くようになり、橈屈は手根骨が全体として回転を開始し近位手根列が遠位・外側に動きます。このことから、橈尺屈の場合も手根中央関節と橈骨手根関節の両方動くことが重要であることがわかります。

 

 

手関節が動くための条件とは?

 

 

手関節の評価をする際、手関節の動きをみることも重要ですが、手根中央関節と橈骨手根関節のどちらが動いていないかを評価することも大切です。

 

また、手関節(橈骨手根関節、手根中央関節)は楕円関節であり、2度の自由度に限定されています。

それなのになぜ手関節はぐるぐるまわすことができるのでしょうか?

 

それは、手掌の軸回旋は、前腕にある近位および遠位橈尺関節で起こっているからです。つまり、前腕の回内外(橈骨の動き)によって手関節をぐるぐる回すことができています。

このことから、手関節を評価する際には、前腕の評価も行う必要があることがわかります。

 

 

前腕の回内外について

 

 

前腕の回内外をみる際には、近位橈尺関節と遠位橈尺関節どちらが動いていないのかを評価します。

 

 

 

起き上がりの第4相に必要な要素とは?

 

 

起き上がりの第4相に必要な要素は、安定した上肢の連結と手関節の安定した機能です。

安定した上肢の連結のためには、上腕三頭筋の筋力が必要です。

手関節の安定した機能を得るためには、橈骨手根関節と手根中央関節の可動性、近位橈尺関節と遠位橈尺関節の可動性、手関節屈筋群の筋力が必要です。

 

このように機能解剖学を学ぶと動作分析から評価・アプローチまでの流れがスムーズに行くようになります。

機能解剖学を学び、臨床に役立ててみましょう。

 

 

まとめ

 

起き上がりの動作分析④

1. 手関節は関節複合体であり、橈骨手根関節(橈骨下端と手根骨の近位列の間)と手根中央関節(近位と遠位手根列の間)から成り、この二つの関節が動くことによって手関節は動く。

2. 手関節を動かす際には前腕の回内外の動きを伴う。

3. 手関節の評価の際には、手関節の動きをみるだけでなく、手関節は橈骨手根関節と手根中央関節のどちらが動いていないのか、前腕は近位橈尺関節と遠位橈尺関節のどちらが動いていないのかをみる必要がある。

 

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