毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日も胸郭出口症候群の概要についてお話ししたいと思います。
前回の記事はこちら↓
胸郭出口症候群の評価とは?
前回もお話ししましたが、胸郭出口症候群は「神経型」「血液型」「混合型」の3つに分類することができます。
神経型のうち、圧迫型の症状には上肢の疼痛や手指の膨張感があり、牽引型の症状には手指の痺れがあります。
胸郭出口症候群の方を評価するにあたり、手指の膨張感があるから圧迫型、手指の痺れがあるから牽引型である、というような評価の仕方をしないように注意しましょう。実際にどうなのかは、評価をしてアプローチをしてみなければわかりません。
胸郭出口症候群が疑われる場合、次に挙げる評価をすべて行います。
斜角筋隙の評価とは?
①Morley test
鎖骨上窩部で腕神経叢を圧迫し、痺れや放散痛が生じると陽性となります。
②Adson test
橈骨動脈の拍動を触知し、頚椎を検査側へ回旋+伸展させます。拍動が減弱もしくは消失すると陽性となります。
また、この肢位で痺れが増大する場合もあるので、痺れにも着目しておくと良いでしょう。
肋鎖間隙の評価とは?
Eden test
上肢下垂位で橈骨度脈の拍動を触知し、肩関節を伸展させます。拍動が減弱もしくは消失すると陽性となります。
小胸筋間隙の評価とは?
①Roos test
肘関節屈曲90度、両肩関節外転90度・外旋90度の肢位で、手指の屈曲-伸展(グーパー)を1回/1秒のペースで3分間行います。疲労や痺れで継続不可能であれば陽性となります。
②Wright test
肘関節屈曲90度、両肩関節外転90度・外旋90度の肢位を1分間維持します。橈骨動脈の拍動減弱もしくは消失が見られれば陽性となります。
高齢の方などはRoos testが困難な場合も多く、そのような場合はWright testを行います。
これら5つの整形外科テストを行うことで、問題となる部位を特定することができます。
Morley testとAdson testが陽性であれば斜角筋に対して、Eden testが陽性であれば肋骨や鎖骨の動きに対して、Roos testとWright testが陽性であれば小胸筋や肩甲骨に対してそれぞれアプローチしていく必要があるとわかります。
評価を行いどの部位に原因があるのかを特定し、その後アプローチを行なっていきます。アプローチの方法については次回お伝えします。
まとめ
胸郭出口症候群について〜評価〜
1. Morley testとAdson testは斜角筋隙、Eden testは肋鎖間隙、Roos testとWright testは小胸筋間隙の整形外科テストである。
2. 胸郭出口症候群が疑われる場合、Morley test、Adson test、Eden test、Roos test、Wright testの5つの評価をすべて行う。
3. 評価を行い原因の部位を特定し、その後アプローチを行なう。
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