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本日は上腕三頭筋反射の増強法についてお伝えします。
前回までの記事はこちら↓
上腕三頭筋の求心性神経は橈骨神経なので、橈骨神経麻痺の評価をする際に用いられます。また、中枢はC6〜8なので、反射検査を行うことで脊髄の損傷のレベルを知ることができ、プッシュアップができるかどうかの判断などにも役立ちます。
しかし、上腕三頭筋反射を苦手としている療法士も多いのではないでしょうか。
本日は増強法も含めてお話ししていきたいと思います。
深部反射の注意点とは?
深部反射をする際の注意点は4つあります。
①深部反射検査をする際には、必ず左右差を比較するようにしましょう。同側の上腕二頭筋と上腕三頭筋の反射の程度を比べないように注意します。
また、②反射検査だけで判断するのではなく、感覚検査などの結果と合わせて総合的に判断するようにしましょう。
検査を行う際は、③対象部位をできるだけ脱力してもらい、④検査する筋は適度な伸長を保つようにしましょう。
アキレス腱反射の増強法の説明のときにもお話ししましたが、検査する筋は適度な伸長を加えて保つようにします。アキレス腱反射の場合は足関節背屈、膝蓋腱反射の場合は膝蓋腱を両側から摘むようにすることで筋を伸長させます。
上腕三頭筋反射のポイントは?
上腕三頭筋反射は、座位の場合は肩関節外転と肘関節屈曲、臥位の場合は肩関節屈曲と肘関節屈曲の状態で行います。
その際のポイントは、写真のように肘窩から支えることです。
そして、肘頭を確認し、そこから約1横指近位側にある上腕三頭筋の腱を母指で少し圧迫します。その状態で圧迫している母指を打腱器で叩きます。
母指で上腕三頭筋腱を圧迫している理由は、腱がより伸長するからということと、触知していることによって上腕三頭筋の収縮をモニタリングすることができるからです。
他の部位の深部反射検査を行う際にも、どうしたら腱が伸長位になるか考えることで応用できます。
ぜひ臨床で活かしてみてください。
まとめ
上腕三頭筋反射の増強法について
1. 上腕三頭筋反射は、座位の場合は肩関節外転と肘関節屈曲、臥位の場合は肩関節屈曲と肘関節屈曲の状態で行う。
2. 上腕三頭筋反射の増強法は、上腕三頭筋を伸長位にするため、肘頭から約1横指近位側にある上腕三頭筋の腱を母指で少し圧迫し、その母指を打腱器で叩くことで確認できる。
3. 他の部位で深部反射検査を行う場合にも、腱が伸長位になるようにすることで増強法をおこなうことができる。
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