毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は生活空間の狭小化・回復と運動機能・認知機能の関わりについてお伝えしていきます。
急性期・回復期または老健等で働いている療法士の方々はイメージしやすいと思いますが、療法士は患者さん・利用者さんの行動範囲を看護師や介護士に伝えることができる職種です。
しかし、療法士がリスクを取りすぎてしまい、その方の可能性を潰してしまっていることもあると思います。その方の移動形態や行動範囲を適切に決められるようになりましょう。
本日参考にした文献はこちらです↓
多くの研究が、ライフスペースの狭小化は認知機能や運動機能の低下と関連していることを示しています。この文献では、認知機能や運動機能もライフスペースの狭窄を招く可能性があるため、ライフスペースの予測因子としての認知機能や運動機能に関する前向き研究が必要だとしています。
この文献では生活空間の定義を、
小:寝る部屋、デッキや廊下、ガレージ等の家やアパートのすぐ外
中:すぐ近所、町やコミュニティ
大:町やコミュニティの外
としています。
運動機能は認知機能よりも生活空間と強く関連しているという結果が出ており、具体的には、運動機能が高いほど、広い生活空間から狭い生活空間へ移行する確率が低かったとしています。
さらに、認知機能が高いことは、大から小への生活空間への移行、および大から小への生活空間への移行の低い確率と中等度の関連を示した、としています。
では、生活空間が狭小化してしまうリスクモデルとはどのようなものなのでしょうか?
この文献によると、認知機能が高いほど、生活空間が回復する確率は高かったと書かれています。
みなさんも、認知機能が高ければ、在宅復帰や職場復帰できるケースが多いということは経験上あると思います。
なので、急性期・回復期の療法士は、しっかりと認知機能を診た上で、その方の生活空間がどこまで広げられるかを考えましょう。
はじめにもお伝えしましたが、療法士がリスクを取りすぎてしまい、その方の生活空間を狭めてしまうこともあります。認知機能・運動機能を診て総合的に判断するようにしましょう。
まとめ
高齢者の生活範囲の重要性について
1. 生活空間の狭小化は認知機能や運動機能の低下と関連している。
2. 運動機能は認知機能よりも生活空間と強く関連しているが、認知機能が高いほど生活空間が回復する確率は高く、運動機能と認知機能の両方が重要である。
3. 利用者さん・患者さんの生活空間を狭めてしまわないよう、認知機能・運動機能を診て総合的に判断する。
オンラインコミュニティ『リハコヤ』では、毎週2回こう言った内容をライブ配信しています。興味がある方はぜひお越しください。
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