毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう。
第55回理学療法士国家試験 午前 第16問
問16 60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
解答
3
解説
脊髄小脳変性症とは?
小脳を中心とした神経の変性によって生じる疾患を総称して脊髄小脳変性症と呼びます。全体の3割が遺伝性、7割が孤発性と言われています。
共通する症状としては
- 小脳性の運動失調
- 排尿・排便などの自律神経症状
- 嚥下障害
が認められます。
現在のところ完治や進行を抑える治療法は確立していません。
進行性の疾患ですが、リハビリとして介入することで少なくとも3ヶ月は機能が維持されるという報告もあります。
今回の問題では「2週間で坐位保持できるようになった」というところがポイントで次の段階の課題を設定するのが望ましいと考えれれます。
そこで回答を見てみると
- 1、3は坐位
- 2は坐位から立ち上がり
- 4は膝立ち
- 5は立位
となり坐位の課題である1,3にまず絞られます。
1,3を比べると支持基底面が不安定なセラピーボールと安定している座面で課題の何度が変わるため、上肢指示なしで坐位が可能になったばかりの対象者に対しては3の端坐位での荷重練習が望ましいと考えます。
なので解答は3です。
これを臨床で活かすには?
脊髄小脳変性症に限らず、リハビリの課題の難易度の設定は悩むと思います。
まず基準として支持基底面の広さと安定性を考え現状の一つ難しい段階を設定しましょう。
もし課題が高すぎた場合の指標の一つして挙げられるのが「代償動作」です。課題が高すぎると代償動作で課題を行なおうとします。代償動作が出た場合は課題が高すぎるので難易度を下げた課題を設定しましょう。
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