こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
先週は運動学習の「強化学習」の役割がある大脳基底核についてお伝えしました。大脳基底核ではて適切な報酬と難易度の設定が大事です。
大脳基底核についてはこちら>>>運動学習について勉強してみた 〜大脳基底核編〜
今回は大脳で行っている「教師なし学習」についてお伝えします。
教師なし学習とは
大脳皮質で行われています。その神経の役割として挙げられているのが
「使用依存性可塑性」
です。
使用依存性可塑性とは
Use dependent plasticity(使用依存的可塑性):特定の機能を担う神経細胞が繰り返し活動すると,同じパターンの活動がつぎに生じやすくなる現象のこと。神経細胞間の情報伝達を担うシナプスの結合性変化が関与していると考えられている。
牛場 潤一:リハビリテーション神経科学が医療を創る 理学療法学 第42巻第 8 号 834〜835 頁(2015年)
とされており、ざっくりいうと
使用頻度が高い部位の運動野が拡大する
ということです。
教師なし学習はこの使用依存性可逆性によって正解はないけど動作ができるようになります。
教師あり学習と教師なし学習の違い
教師あり学習は文字通り正解があります、教師なし学習は正解がありません。
例えば
- お箸の持ち方
- 靴の履き方
- 洋服の着方
などは教えられて身につくので正解がある教師学習
- 歩き方
- 寝返り方
- 立ち上がり方
- 排便のときの腹圧の上げ方
- 食塊の飲み込み方
などは教えられていないけど自然に身につく教師なし学習
となります。
教師なし学習の要素
大きく分けて
- カテゴリー
- 分析
- 関連付け
などがあります。
例えば寝返りから歩行までの発達の過程を見てみると
- 寝返りと歩行を【移動手段】というカテゴリーに分ける
- 右に寝返るときは左足で地面を蹴り、その後曲げることで体が右に回ってくる【分析】
- 右に体を回しながら左手を伸ばすと動きやすいから左足を蹴りつつ右手を伸ばす【関連付け】
- そしてこの動きは立位で行うと左下肢で蹴りながら左手を前に振るという動き同じ【分析】なので寝返りを練習すれば歩行にも影響する【関連付け】
のようになります。
なので今動かしている部位が特定の動作につながっているというカテゴリー分けや関連付けが大事になってきます。ここを怠ると機能訓練がADL動作に結び付けられない原因になります。
教師なし学習のポイント
要は
特定の動作のときに関連する部位の使用頻度を上げる
ことで使用依存性可塑性は強化されていきます。
なので何かしらの訓練を行うときに
- 移動手段に関わること【カテゴリー】
- 移動のときのこの動きのときに必要です【分析】
- これは移動以外にも〇〇の動作や〇〇の動きにも必要です【関連付け】
を意識して説明する必要があります。
なので運動学習をまとめると
- どの動作で必要なものなのかを説明し、【教師なし学習】
- 適切な難易度の課題と適切な報酬を用意し、【強化学習】
- 効率的な動きをフィードバックしながら【教師なし学習】
技能の獲得を目指す
のがポイントとなります。
まとめ
運動学習について勉強してみた 〜大脳編〜
- 大脳は教師なし学習を担当している
- 使用依存性可塑性とは特定の部位を使用することで運動野が拡大すること
- カテゴリー、分析、関連付けを意識して行う
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