認知症に対するアプローチの根拠についてfrom リハコヤ

認知症に対するアプローチの根拠についてfrom リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

 

本日は認知症に対するアプローチの根拠についてお伝えします。

 

 

アセチルコリンの分泌について

 

通常、マイネルト基底核や前脳基底部からアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。しかし、認知症をお持ちの方の脳は、このアセチルコリンの合成量が減ってしまっています。

 

しかし、セロトニンが分泌されると、前脳基底部に作用してアセチルコリンの分泌量が調整されることがわかってきています。

なので、セロトニンを分泌させることが、療法士が関わる上でアプローチの手がかりになってきます。

 

 

セロトニンを分泌させるには?

 

セロトニンが分泌される条件は3つあります。

まず一つ目は、日光を5分以上浴びることです。網膜から入った光刺激がセロトニン中枢を活性化させます。

二つ目は、5分以上のリズム運動を意識的に行うことです。これによりセロトニン中枢を活性化させることができます。

そして三つ目がグルーミングです。心地良い刺激を加えることによって視床下部にあるオキシトシンの分泌を促すことができます。そしてオキシトシンが分泌された結果、縫線核にあるセロトニン中枢が促されてセロトニンが分泌されます。

 

また、オキシトシンが分泌されることによって、青斑核にあるノルアドレナリンの分泌が抑制されます。

ノルアドレナリンはストレス物質で、脳が長期間ストレスを感じてノルアドレナリンが過剰分泌されてしまうと、アセチルコリンを分泌するマイネルト基底核や前脳基底部に作用して、アセチルコリンの分泌量を低下させてしまいます。

 

 

認知症の方へのアプローチの方法とは?

 

これらのことから、オキシトシンを分泌させることで、セロトニンの分泌を促し、アセチルコリンの合成量を増やすことができることがわかります。

なので、療法士はその人が「心地良いな」「楽しいな」と感じるようなことをアプローチに取り入れることが重要です。

 

認知症をお持ちの方へのアプローチ方法で迷った際には、ぜひその方が笑顔になる活動を選んでみてください。

 

 

まとめ

 

認知症に対するアプローチの根拠について

1.セロトニンを分泌させることでアセチルコリンの分泌量が調整されるので、アセチルコリンの分泌量が低下している認知症の方にはセロトニンを分泌させることが有効である。

2. セロトニンを分泌させるための条件には、日光を浴びる、リズム運動を行う、グルーミング(心地良い刺激を加える)の3つがある。

3. 認知症をお持ちの方へのアプローチには、その人が笑顔になる活動を選択する。

 

 

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