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本日は股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?という内容について、前回の続きをお伝えします。
前回の記事はこちら↓
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか? from リハコヤ
前回の記事では、エンドフィールをしっかりと感じながらROM測定をおこなうことが大切だとお話しました。その中で、エンドフィールが徐々に硬く、弾性がある場合は筋性のエンドフィールであるとお伝えしました。
股関節伸展制限があり、筋性のエンドフィールを感じた場合、腸腰筋と大腿直筋を疑います。
大腿直筋と腸腰筋の特徴
この二つの筋の特徴を整理していきます。
・大腿直筋
【起始】下前腸骨棘、寛骨臼上縁
【停止】膝蓋骨底・両側縁、脛骨粗面
大腿直筋は2関節筋であるため、膝関節屈曲位にて股関節を伸展すると伸長されます。
・腸腰筋
【起始】大腰筋:第12胸椎〜第4(5)腰椎椎体、横突起、椎間円板
腸骨筋:腸骨窩、仙骨翼
【停止】大腿骨小転子
腸腰筋は単関節筋肉であり、膝関節伸展位にて股関節伸展することで最も伸長されます。
筋性の股関節伸展制限があった場合の見分け方
これらの特徴を踏まえて、筋性の股関節伸展制限があった場合の見分け方は以下の通りです。
ROM測定をした結果、筋性の股関節伸展制限あり
↓
膝関節屈曲位にて股関節伸展を測定する
↓
膝関節伸展位にて股関節伸展を測定する
↓
屈曲位にて制限がある場合は大腿直筋の不全、伸展位にて制限がある場合には腸腰筋の不全が疑われる
このように整理していくと、次にどこに対してアプローチしていけば良いのかが理解できてきます。
ぜひ臨床に活かしてみてください。
まとめ
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?②
1. 股関節伸展制限があり、筋性のエンドフィールを感じた場合は、腸腰筋と大腿直筋を疑う。
2. 大腿直筋は2関節筋なので、膝関節屈曲位にて股関節を伸展すると伸長される。腸腰筋は単関節筋肉なので、膝関節伸展位にて股関節伸展することで最も伸長される。
3. ROM測定時にエンドフィールを感じ、疑われる筋の特徴を理解しておくことで、次におこなう評価やアプローチが明確になる。
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