本記事では
「最近腹臥位の重要性をよく聞きます、私も腹臥位は重要だと思いますので、腹臥位に挑戦したい!けど、どうやったらよいの?」という疑問にお答えします」
みなさま、こんにちは!
Assessmentコースの講師の加藤です。
リハビリの時は有限です。
使える時間は限られているので、できることならリターンが大きいアプローチに挑戦したい。
その気持ちはよくわかります。
私がもし「新人の頃の自分」に助言できるなら、どのようにアドバイスするだろうかと考えました。
結論から言うと、腹臥位に挑戦するならば「重要だと聞いているから」だけでなく、「何故重要なのか?」という視点をもったほうがよい、と伝えると思います。
つまり、「しっかりとメリット・デメリットを理解した上で腹臥位に挑戦しろ」と言うだろうと考えたわけです。
なので腹臥位をとるための「メリット」「デメリット」「コツ」をお伝えします。
腹臥位を取ることのメリット!
一番のメリットは「呼吸の改善」です。
呼吸が改善することで、全身に酸素が行き渡り、耐久性の向上、代謝の改善、自律神経の調整などの様々なメリットが得られます。
参考文献はこちら>>>腹臥位がパーキンソニズムの呼吸機能に及ぼす影響より
『パーキンソニズムの呼吸機能の障害に対し,腹臥位による呼吸機能管理の有効性について検討を行った。検査は,パーキンソニズム10例(呼吸障害は拘束性:全例,閉塞性:9例)を高さ20cmの三角形のマット上に,on elbows肢位で腹臥位を10分間保持させ,前後の呼吸機能および胸郭拡張性の測定を行った。測定肢位は下肢屈曲位の安静背臥位とし,呼吸機能検査はスパイロメーターを,胸郭拡張性は最大吸気・呼気の胸郭周径(腋窩位,乳頭位,剣状突起位)の差をメジャーによって測定した。結果は,上部胸式呼吸パターンを中心に%VC(%肺活量),FEVLO%(1秒率),および胸郭の拡張性を有意に増加させ,パーキンソニズムの呼吸管理に簡便で有効な手段と確信した。』
腹臥位を取ることのデメリット
もちろんデメリットもあってそれは「体位変換が難しい」ことです。
例えば
- 脊柱、股関節、足関節に拘縮がある
- 患者さん、利用者さんに腹臥位の恐怖心がある
でもその難しいというデメリットがあっても得られるメリットの方が大きい。
私自身、腹臥位を取ることで変化がみられた患者さん・利用者さんをたくさんみてきました。
挑戦するコツ!
確かに臨床で働いていると腹臥位を取れない人もいます・・・
でも実践できる方には是非試していただきたい姿勢です。呼吸が本当に改善されます!
そのためにのコツとしては
まずは、写真のような半腹臥位(前傾惻臥位)から始めることがおすすめです。
これなら恐怖心もなくクッションなどを利用して簡単に誘導することが可能です!
さらにここから腹臥位にするためにクッションを胸の下に入れるなどの工夫で脊柱・股関節の拘縮への対応が可能となります。
問題は足関節ですね・・・・
そこはしっかりとリハビリで可動域を維持していきましょう!
またはクッションを利用する方法があるのですが・・・
それはこちらでお話しします>>>実践!シーティング・ポジションング法
どうでしょう?
こう考えると『腹臥位は苦しい』ではなく『腹臥位は楽になる姿勢』と考えが変換されませんか?是非とっていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
あなたも
当たり前のことが当たり前にできるようになり
一緒に信頼される療法士になりませんか?
療法士活性化委員会
認定講師
作業療法士 加藤 淳