on-elbow~on-hand中の肘・手 ~その役割と必要な3条件~[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その104~]

on-elbow~on-hand中の肘・手 ~その役割と必要な3条件~

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

前回に引き続き、起き上がり動作をテーマにお伝えします。
前回は、起き上がり動作をより効率よく簡単に行うためには、どのような肩の動きが必要なのかを整理しました。

今日は、起き上がり動作のなかでも
on-elbow〜on-hand時の肘・手の動きや役割、必要な3要素までを解説していきます!

On-handとは?

まず、on-elbowとは「肘をついた状態で上体を起こして支える」ことを指します。

起き上がり動作では、「側臥位から片肘をついて上体を起こす動き」を表現していることが多いですね。

そして、on-elbowの状態で手部(主に手掌面)に荷重していくことを
on-handと呼んだりします。

今回は、このon-hand時の肘・前腕・手関節の動きに注目します。

 

on-handでの肘・前腕・手関節

 

肘伸展しつつ、プレーシングできる?


on-handの状態では、肩は基本的に外転位となっています。

on-handでは肩外転位にて、手掌をベッド面で押して
身体を支えながら肘伸展を行なっていきます。

言い方を変えると、
「肩外転位でプレーシングしながら、
肘の伸展を行っている」状態にあると言えます。

このあたりは、前回のコラムが参考になるかもしれません。
(前回コラムは、こちら
on-elbow〜on-hand中の肩の動きとは?|その役割と必要な3条件を解説

前腕の回内外を痛みなくできる?

on-handの状態では
前腕を回内し、手掌がベッドに接地できるようにします。

手関節を回内した状態で荷重していくにあたり、
事前に回外動作を痛みなくおこなえるか必ず見ておきましょう。

手関節を安定させるうえで、前腕骨間膜と尺側手根伸筋腱の働きが
重要となりますが、

前腕の回内外動作ですでに痛みが出ている場合は
起き上がるときに身体を支えることが難しくなります。

なので、まずは前腕の回内外動作を
痛みなく行えるかを見ておきましょう。

手指は伸展できる?

続いて、手関節に注目してみましょう。


on-handのとき、手関節は
肘伸展にともなって背屈位となっていきます。

このとき、手関節の屈筋・伸筋群を活用して
手関節を安定できていなければ、
支持側上肢への荷重は保てず、肘を伸展して
からだを起こすことが難しくなります。

先ほどお伝えした
前腕骨間膜と尺側手根伸筋腱の働きも大事です。

一方で、手指の伸展制限が強いと
手関節を伸展位に保つことがそもそも難しくなるため、
手指の動きを見ておくことも重要となります。

 

まとめ

肘・手の動きに注目してon-handの動きを分析すると
「肩外転位でプレーシングしながら、肘の伸展を行えるか」
「前腕の回内外動作を、痛みなく行えるか」
「手指・手関節の伸展を行えるか」


という3条件が必要、ということが考えられそうです。

前腕や手関節・手指の動きは問題がないのに
肘が伸ばせない…という場合には、

もしかしたら、それは支持側の肩だけの問題ではなく
「股関節」「体幹」の問題もあるかもしれません。

この点については、次回お伝えしますね。

 

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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