仰臥位から寝返りができない時は?どんな代償パターンがあるのか考えてみました[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その59~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

 

 

 

 

最近、僭越ながら寝返り動作を始めとした動作分析をご相談に乗らせていただく機会が増えました。
ご相談される方の年齢層は幅広く、経験年数もさまざまです。
そのなかでも新人に近い若手の方とお話ししていると、私自身が動作分析もできるOTを目指して練習を繰り返していた頃のことを思い出します。(もちろん、今も練習してますよ!)

いろいろな本やサイトで寝返りの動作分析を見たことがある人はご存知だと思いますが、ほとんどの動作分析は、「どの関節も自在に動かせる」ことが前提条件にあり、ときには「動かせないところは知ったこっちゃない」と書いてあることもあります。
つまりそれだけ、寝返り動作の動作分析ビギナーが動作分析をマスターするのはハードルが高く感じてしまうのです。

「じゃあ世のなかのビギナーは、一体どうやって未経験からマスターしたの?」と思いますよね?
ポイントは、「寝返り動作の代償パターンを知っている」ことにあったんです。

そこで今回は、寝返り動作ができない方が仰臥位から起き上がるにはどんな代償パターンがあり、寝返り動作の制限因子を私なりに考えてみました。寝返り動作の動作分析できるように頑張っている方の参考に少しでもなれば幸いです。

最後にはちゃっかり寝返り動作を分析できるようになる講座案内ページへのリンクボタンも設置しているので、ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。

 

寝返り動作中の動作分析 – 総論 –
▼目次

1. 寝返り動作の代償パターンとは

  • ベッドの端をつかんで引き寄せる
  • 両脚で勢いをつける
  • 腹筋運動を手で支える

2.まとめ

寝返り動作の代償パターンとは

「寝返りの動作分析を行えるようになりたい!」と思ったときにまず思いつくのが、「動作分析の本をベースに考える」ではないでしょうか。ご多分に漏れず、私も新人の時には動作分析に関する書籍を読み漁りました。当然、寝返り動作の代償パターンまで書き込んだ本は少なく、各分野で経験を積んだ人がさらに動作分析ができるようになるのを目指して書かれているものでしたから、代償パターンがどんなものかはすでに知られている前提で書かれた内容になります。なので読む前からわかってはいましたが、読み始めても、臨床で何が問題なのかチンプンカンプン…。毎回、挫折してました。今思うと、これって本当に時間もお金ももったい無いですよね……。

そんなわけで新人で書籍を読んで寝返りの動作分析ができるようになる、というルートは断念しましたが、「私は寝返り動作ができない場合の代償パターンを知っていて、本の内容で十分動作分析を理解できます!」という方は、まずは書籍を読んでみるのもいいと思います。

ではここからは、書籍を読む以外に考えられるルートを挙げていきます。

 

ベッドの端をつかんで引き寄せる


よく見かけるパターンですよね。
体幹は少し回旋できるけれども上体を引き起こすことが難しいため、
どこかをつかんで引っ張ることで寝返り動作を代償する方法です。

問題点としては、
・身体を起こせない
・身体は起きるけど、寝返る方向へ重心を移動できない
・身体は起きて重心は途中まで移動できるけど、完全に移動できない

に分類できます。
この辺りは、前回までのコラムが少し参考になるかもしれません。

各問題点ごとに、過去のコラムをちゃっかりご紹介しちゃいますね(笑
・身体を起こせない
猫背だと寝返りは難しい!?「肩甲骨アライメント」の落とし穴
・身体は起きるけど、寝返る方向へ重心を移動できない
肩とはいったい何者なのか、みなさん気になっていると思います。
・身体は起きて重心は途中まで移動できるけど、完全に移動できない
上肢支持の時に、胸骨を見てますか?

両脚で勢いをつける


なんともマヌケな顔をしてますね…
まぁ、そこは置いときましょう!

元気なご老人で、時折見かける動きですね。
寝返り動作における体幹を回旋する動きを屈曲する動きで代償しているので

・脊柱の回旋が可能か?

を座位または仰臥位で評価してみましょう!

腹筋運動を手で支える


これも臨床現場でよく見かける起き上がり方ではないでしょうか。
この場合、脊柱の回旋が難しいことと
体幹部・股関節の動きが制限されていることが考えられます。

ですので、

・脊柱の回旋が可能か?
・股関節を自力で動かせるか?

を評価してみましょう!

 

終わりに

ご紹介してきた通り、起き上がるためのルートは様々で、寝返る動きはその一部にすぎず、
 ・体幹の回旋ができない
 ・肩を十分に動かせない
 ・股関節が動かせない
などの理由があって、自分に合いそうな方法を試しているにすぎないのです。

言い換えれば、上記のどれかが原因で、楽に寝返ることができないのかもしれません。
もし上記の3パターンに近いやり方で苦労して起き上がっている場合、
どこか一箇所でもいいので介入してみて再評価してみてください。

動作分析が苦手…と思う方の苦手意識が
少しでも「楽しい!」に近づきますように。

ありがとうございました。

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療法士活性化委員会

認定講師 吉田 頌平

 

 

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