“まぁまぁ側臥位”でもOK!上手にベッド上姿勢を取れるようになって、ADL改善を目指そう![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その90~]

“まぁまぁ側臥位”でもOK!上手にベッド上姿勢を取れるようになって、ADL改善を目指そう![療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その90~]

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

突然ですが、僕は分析が全般に好きです(なので、動作分析の視点でいつもコラムを書かせていただいてます^^)。

なぜ好きかというと、分析ってある程度の予測を立てるうえで便利なんです。

よく分析の過程で「形」にこだわりやすくなるのは
療法士の常といいますか、クセみたいなものがあると思いますが

今回は、臨床でよくみかける「側臥位」の特徴を押さえて
利用者さんの体力にあわせた離床を考えていこうと思います。

 

側臥位で得られるメリット

まず、側臥位で得られるメリットは

  • 深く呼吸をしやすくなる
  • 脊柱伸展が困難な方でも休むことができる

の2つです。

 

圧迫骨折をされた方や円背の方でも姿勢を取りやすく、上肢で身体をささえながら移行できる側臥位。

痰や分泌物を排出しやすくする際にも活用される姿勢ですが、
呼吸機能にも影響します。

(図は半腹臥位っぽく見えますが、これも側臥位の応用版で、呼吸しやすい姿勢です。)

側臥位で下になる肋骨が圧迫されると、横隔膜がゆるみやすくなり
息を吐きやすくなります。

しっかり吐いたぶん、自然と息が入りやすくなりますので
呼吸機能の改善が期待できます。

また、気道を確保しやすいという報告もあり
呼吸しやすい姿勢と言えます。

 

ただ、側臥位が長期になると、デメリットも出てきます。

側臥位で起こるリスク・デメリット

側臥位が続くと生まれるデメリットとは、

  • 身体支持をうまく行えない方の場合、伸展パターンでの身体支持が強まりやすい
  • 股関節側方が圧迫され、股関節が動かしづらくなる

 

さきほどお伝えしたように、側臥位では肋骨が下になって身体を支えるようになります。

触ってみるとよくわかりますが、肋骨は丸みがありますよね。

丸みのある肋骨が支持面となるため、ほかの姿勢と比べて不安定になりやすいんです。

 

そのため側臥位は、安定のために反射的に背部筋群を緊張させやすい姿勢ともいえます。

 

この不安定な側臥位で、姿勢支持のため大きく荷重されるのが「股関節周辺」です。
側臥位になると、以下のポイントで荷重がかかりやすくなります。

(引用元:日本褥瘡学会 http://www.jspu.org/jpn/patient/about.htmlより)

この中で、特に腸骨周辺には大腿筋膜張筋・中臀筋・小臀筋・縫工筋など
筋組織が豊富にあります。

筋は圧迫しつづけられると、血流が阻害され萎縮する特徴がありますので
長期の側臥位は、間接的に股関節の動きに影響するんです。

また、長期の圧迫がつづくと褥瘡ができることも忘れちゃいけないポイントですね。

 

チェックすべきポイント

いかがだったでしょうか。

今回ご紹介したのはあくまでも僕の解釈なのですが、大事なのはアライメントよりも姿勢の使いわけ方を探すことだと思います。

側臥位にも一長一短はあります。
ベッド上の姿勢を「側臥位に変えられる」のであればメリットは多いですが、
「側臥位でしかいられない」のであればデメリットは多くなります。

前章の最後でお伝えした「褥瘡」は、まさにデメリットですよね。


ちなみに下記の褥瘡発生の実態報告によれば、
股関節周囲(腸骨稜部、大転子部)の褥瘡発生数は、一般病院では3番目に多いことがわかります。


(引用元:2016(平成28)年度日本褥瘡学会実態調査委員会報告1 表20 より)


また、もし利用者さん自身で寝返りが行えるようにプログラムを立案できるようになると
利用者さんのQOL改善だけでなく、
看護師さんや介護士さんとも協働しやすくなります。

「2,3人がかりでやっと体位変換してたのが
 最近は1人、軽介助くらいでも動けるようになってるよ」

「最近、自分で起きてごはん食べられるようになったのよ!」

こんな生活の変化を、看護師さんや介護士さんと
分かち合えると楽しいですね。

次回は、仰臥位についてお伝えします。

 

  • 日常生活動作から動作分析を行えるようになりたい…
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そんなお悩みを解決する講座です。

【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。

【 内 容 】

  1. 安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴

  2. 座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方

  3. 安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり

  4. 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
     ・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
     ・肩→肋骨周囲へのアプローチ
     ・股関節→股関節前面へのアプローチ

わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )

Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。

次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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