関節・筋に機能的な問題はないのに動作に結びつかない理由は?

関節・筋に機能的な問題はないのに動作に結びつかない理由は?

こんにちは、やっと晴れ間が見えてきて少し運動しようかなって気になってきた療法士活性化委員会委員長の大塚です。こんな天気だと患者さんも動きたくないよな〜って思っちゃいますね。

理学療法士大塚久

さて、今日は関節や筋の機能は問題ないのに動作に結びつかない場合の解決法です。結びつかない理由は自分で自分の体を認識できていない可能性があります。

ROMとMMTは問題ないのに動作が変わらない

僕が3年目くらいまでよく経験したんですが、他動での可動域や筋力はあるのになかなか動作に結びつかないことってありませんか?僕はもともと機能さえ変化すれば動作は勝手に変わると思っていたのでこの理由が何かまったくわかりませんでした。

では機能的に問題なくても動作に結びつかないのはなぜなんでしょうか?

自分の体を思い通りに動かせないのかもしれない

他動での可動域は自分で運動を制御する必要はないですし、MMTは一定の角度での筋収縮なのでそこまで難しい課題ではありません。しかし動作になると重力に対して体を支えたり、目的とする対象物と自分との距離を測定したり、測定した結果から適切な筋収縮を発揮して無駄のない動きでリーチ動作をしたりと課題が数多くあります。そしてその中でも「測定した結果から適切な筋収縮を発揮」が意外とできていない場合があります。

自分の体で実験してみましょう。

まず目を閉じてください。


目を閉じたまま自分の感覚で肩関節を90°外転してみてください。

目を開けて肩の角度を見てみてください。

  • ぴったり90°だった人→オッケーです!
  • 角度が90°にならなかった人→体性感覚がずれているかもしれません。

このように「思った通りに体が動かせない場合」動作がうまく習得できません。

なぜ体性感覚がずれるの?

これは病気や怪我による部分と、日々の生活習慣とで変化してきます。

わかりやすい例で行くと脳卒中の半側空間無視の状態、半側が認識できないため、忘れてしまったりします。

整形外科疾患でいうと人工関節などのオペを行なった場合、それまでの関節の構成体と構造が変化しているため、深部感覚が変化します。深部感覚は「関節がこのくらい曲がってる」とか「筋肉がこのぐらい伸長されている」といったことを感じ取ることで体性感覚に影響を与えます。オペの後は関節の構造は変化しているのに体性感覚がオペ前のものだったりするのでオペ後も以前と同じような歩き方をしてしまうことがあります。

ではどうすればいいか?

先ほど自分の体を使った実験をした時に「目を開けて確認」をしてもらいました。体性感覚を修正する方法の一つは”視る“ことです。自分で自分の体を視ることで体の状態を認識します。

続いてみて確認したら触ってみましょう。視て認識して触ることで視覚と触れられたことによる体性感覚が統合されます。

そして最後に自分で動かすことで自分の思い通りに動かせるようになり動作が獲得できるようになります。

まとめ

機能的に問題ないけど動作が獲得できない場合は

  1. 自分の体を自分で思い通りに動かせない可能性がある
  2. 視覚と触診をすることで体性感覚を補う
  3. 動かすことで視覚と体性感覚を統合させる

の3つがポイントになります。

機能的に問題ないけど動作が獲得できない人には1、視て、2、触って、3、動かしてみましょう。

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