身近すぎて、意外と見逃しがちな肩の評価指標[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その102~]

身近すぎて、意外と見逃しがちな肩の評価指標

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

突然ですが、あなたは肩をどう評価していますか?

最近は評価するスケールなどが充実してきており、
・夜間痛のような、肩の痛みを評価するもの
・ROMやMMT・スペシャルテスト(整形外科的テスト)のような、肩関節自体の機能を評価するもの
だけでなく、
・ADLの実践状況から、肩の実用度を評価するもの
も多くあります。

「ADLの実践状況」を評価するスケールの1つであるSimple Shoulder Testというものの中に、
他の評価スケールには明記されておらず、見過ごしていた評価指標があることに
最近になって気づきましたので、その気づきと臨床的意義についてシェアしたいと思います。

見過ごされがちな評価指標

肩の機能評価というと、
・頭を洗えるか?
・反対側の肩を洗えるか?
・ズボンを履くことができるか?
など、ADLに関連したものが多いですよね。

実は、こんな評価指標もあるんです。

(画像引用元:Simple Shoulder Testより)

(以下、赤丸部分を筆者が和訳)
1. 側臥位で安静にしていても、快適に過ごせますか?
2. 快適に眠ることができますか?

どちらの項目でも、夜間痛についても聞いていると思いますが、
1. については側臥位を取ることへの抵抗感や困難さも聞いていますね。
2. についても、ずっと同じ姿勢で寝ることはまずあり得ません。

つまり、1,2の評価項目から、
「寝返りがスムーズにできるか?」というのは
肩の機能を評価するうえで重要な指標になりうる、ということです。

臨床とどう結びつけていけばいいの?

では、具体的に肩のどんな動きが
仰臥位→側臥位への寝返り時に起こるのでしょうか?

簡単にまとめると、
「外転」から「内転」(+2nd 内外旋)
です。
(もうちょっと詳しくは、下記の記事でご紹介しています)

【寝返りの動作分析】肩とはいったい何者なのか、みなさん気になっていると思います。[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その57~]

しかも、この動きは上腕だけで行われるのではなく、
肩甲骨や鎖骨、体幹と連動して起こる動きです。

冒頭に挙げたADLについて考えてみると、
・頭を洗えるか?
 →頭を洗ったりするときには、肩甲骨や鎖骨が連動できることって重要ですよね。
・反対側の肩を洗えるか?
 →反対側の肩を洗うときは、肩の内転・水平内転の動きが大切です。
・ズボンを履くことができるか?
 →ズボンを履くとき、肩の伸展と内旋する動きが出ますね。

そして、これらはすべて「立位」または「座位」で行うため
体幹を安定して動かせることが求められます。

要するに、寝返りとこれまで見ていた上記のようなADLには
肩の基本的な動き+体幹と連動する点において
共通する部分がたくさんある、ということです。

言い方を変えれば、寝返りを評価できると、
ADL改善の方針を考えやすくなる、といえます。

まとめ

「肩痛いよ〜」っと言われている方を思い浮かべてみると、
そういえば肩が痛いほうへ寝返ることって避けることが多いなって思います。

それってつまり、関節内でうまく動けてない、肩関節内にかかる圧力を逃しきれてないってことですよね。
(腱板損傷や骨折など、組織損傷による場合も含めて)


組織損傷がある場合には、炎症や組織回復の状況を把握しておく必要はありますが
「自然に寝返りができるかどうか?」という視点は
肩の動きを評価するうえでも有効そうです。

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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