【5分で読める】いまさらだけど歩行の「観察と分析」の違いって何?そっと調べてみた[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その68~]

【5分で読める】いまさらだけど歩行の「観察と分析」の違いって何?そっと調べてみた[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その68~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

『(なんとなく)このひと、転びそうだな〜』
転びそうと感じる方の歩行を見たとき、ひとつ疑問に思ったことがあります。

それは、「歩行動作の観察と分析の違い」って何だっけということです。
よく動作分析の前に観察をしよう!と言われますが、みなさん、ちゃんとそれぞれの意味の違いについて違いを説明できますか?

意外と言葉で言い表しにくい部分だと思うので、この機会に調べて役立てたいと思います。

言葉の意味をちゃんと調べよう

まずは「観察と分析」の持つ意味をしっかり学びましょう。曖昧なイメージもこれでクリアになります。

まずは「観察」から辞書で調べてみましょう。

【観察】
事物の現象を自然の状態のまま客観的に見ること。
(引用:Googleより)

次に「分析」を辞書で調べてみます。

【分析】
物事をいくつかの要素に分け、その要素・成分・構成などを細かい点まではっきりさせること。
(引用:Googleより)

 

歩行動作の観察と分析の違い

どちらも“歩く動きを見る”点では同じようにみえますが、差別化のポイントは動き全体をそのまま見るか身体の部位に注目するかどうかでしょうか。

いろんな視点がありますが、今回は「歩行速度」と「胸郭・下肢の動き」から歩行動作の観察と分析の違いをもう少し掘り下げて考えてみます。

まず下田らは、歩行速度から歩行時の左右動揺に着目しています。

【参照元:下田 隼人 他.身体重心の左右変動に基づく歩行の動的安定性評価.理学療法科学.2008.23(1).55–60.】

目的: 歩行時の動的安定性を身体重心軌跡の振幅・周期の変化で直接数値化し,それが安定した歩行と不安定な歩行を明確に区別できるかを検討すること。
結果:左右動揺・1歩行周期時間の標準偏差と歩行速度の間で、安定歩行時と不安定歩行時に明らかな違いが見られた。

 

一方、竹内らは胸郭・下肢の動きを中心に、歩行時の動揺を見ています。

【参照元:竹内 弥彦 他.高齢者の保障的バランス反応における身体動揺特性と関節モーメントの関係.バイオメカニズム学会誌.2013.Vol. 37(1).52-57.】

目的:後方へのステッピング反応の足部着地時における全身と体幹部の動揺特性,および下肢荷重関節が発揮する力学的特性との関連性から,高齢者のステッピング反応の特性を明らかにすること。
結果:足関節の底屈・外がえしが小さいと全身の左右方向動揺量が大きくなり、また、股関節の屈曲・ 外転,膝関節の伸展・外反が大きくなると胸郭部の前後・左右方向加速度は大きくなった。

簡単にまとめると、歩行時の体幹動揺を
・下田ら →歩行速度
・竹内ら →下肢・体幹の動き
のそれぞれの視点から見ています。

臨床場面で考えてみると、
ストップウォッチを片手に歩いている時の体幹動揺を見ることは全体を「観察」する視点、
前後・左右から歩行中の下肢・体幹の動きに注目して体幹動揺を見るのは「分析」する視点に分類できます。


・歩行速度     →観察
・下肢・体幹の動き →分析

それぞれのメリットをくわしく見ていくと違いがもう少し明確化できそうです。

 

歩行速度を観察するメリットとデメリット


歩行動作全体を見て、歩くスピードをコントロールできているかどうかを判断できるのが歩行速度から歩行を見る際のメリットです。

早く歩くからふらつくんじゃない?ってことですね。
高速道路で車を運転するときと、一般道を運転するときだと車体の揺れが変わるイメージでしょうか。

ただし、動き全体を見ているため身体の各部位の細かな動きを見逃しやすいデメリットがあります。

身体部位の動きを分析するメリットとデメリット


一方、身体部位の動きに着目すると、どこが歩行を不安定にしているのかを絞り込みやすくなります。
竹内の報告をベースに考えると、胸郭と下肢(股関節・膝関節・足部)の動きを分けて見ることがひとつのポイントになりそうですね。

ですが、視野を狭く絞るため肩や頭部を含めた全体の動きを見逃しやすいデメリットがあります。

 

比較してみた

それぞれの特性がわかったところで、違いを表にまとめてみました。

歩行速度(観察) 身体部位(分析)
わかること 全身の動きをコントロールできているか 胸郭と下肢など、各部位を
動かせているか
見逃しやすいこと 胸郭・下肢などの部分的な動き 肩や頭部を含めた全身の動き

まとめ

いかがでしたか? 歩行動作は見方によって、得られる情報に違いが出てきやすいんですね。

論文などでは、歩行をはじめADLを“より詳細に見る視点”が重要視されておりますが、
そもそも体幹と下肢って、どう動きがつながるのか?「歩く時に右に大きくふらつくのはわかったけど、どこからどう見たらいいのか?」をイメージできていなければ分析することはできません。

ひとつひとつの関節の動きを整理して、分析する基礎を養うために、療活には「Motion Analysisコース」があります。

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少しでも「楽しい!」に近づきますように。

ありがとうございました。

 

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療法士活性化委員会
認定講師 吉田 頌平

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