不安な臨床で「初めの一歩」を踏み出すための方法とは?

不安な臨床で「初めの一歩」を踏み出すための方法とは?

こんにちは、療法士活性化委員会委員長理学療法士の大塚です!
理学療法士大塚久

これまで療養型病院で働いたり、整形外科のクリニックで働いたり、訪問やデイサービス、老健でも働いていましたが、気づけば療法士になって15年。3年前に療活を始めていました。

講習会を主催するのは仕事と生活、よりわかりやすく伝えることと最新の情報を勉強するなど大変なこともありますが、講習会では沢山の療法士の生の意見を聴きくことができ、自分の視野も広がるので本当に初めて良かったと思います。

とはいえ、臨床に出て間もない頃の自分は特に技術もない中でのリハビリに不安を感じていました。なんとなく患者さんにこうなって欲しいな〜というのはあるけど、ふわふわしていて、リハビリとして何をやっていけばいいかわからないという状態でした。

そんな悩みをずっと抱えながら仕事をしてきましたが、臨床10年を迎える頃、やっとこれが一つの方法なのかな?と思えるものが見えてきたのでそれをシェアしたいと思います。

「逆算」がカギ。ゴールに向けて一歩踏み出す方法

突然ですが、みなさんは「ゴールからの逆算」をしたことはありますか?逆算と聞くと少し難しく聞こえますが要はリハビリのゴール設定です。
そう、みなさんがすでにやっていることなんです。
大塚ももちろんゴール設定をしてリハビリをしていました。
でもふわふわして具体的でなく、何をしていいかわからなかった。その理由はゴール設定だけしていたからなんです。

そこで鍵になるのが「逆算」です。

ゴール設定と逆算

ということで、まずはゴールから現在の逆算の例を挙げてみます。

大腿骨頚部骨折術後の70台女性、調理ができるのが自分だけなので3ヶ月後の退院までに自宅で調理を受傷前と同じようにできるようになる。(ゴール)

買い物に行くための歩行能力と、調理の間、立っているだけの立位保持能力があることが必要

平地での立位保持能力、歩行能力が必要

買い物に行く先のまでの距離、調理の平均時間を問診
手術の経過の確認
現状の立位時保持、歩行能力の評価
局所の評価とアプローチ(いまやるべきこと)

このように、ゴールからの逆算をする際にはゴールに患者様のHOPEを置き、現在まで構造的にさかのぼることで「いま自分がやるべきこと」を導き出せます。

ほぼ全ての療法士が実践していた「逆算とゴール設定」

実は逆算とゴール設定ってほぼ全ての療法士がやっています。これをすることで現状で何が必要かを把握し、患者様のHOPEを達成するためのサポートをしています。
でも、大塚自身はリハビリで何をしていいか曖昧でした。
それは逆算とゴール設定に必要な3つのポイントが抜けていたからなんです。

逆算とゴール設定の際に意識するべき3つのこと

1.詳細なゴール設定

ゴールからの逆算におけるポイントは、「ゴールをより詳細に描くこと」です。例えば大塚はよくこんなゴール設定をしていました。

「立位保持能力の向上と歩行の安定性向上」

  • 一見ちゃんとしたゴール設定に見えますが、
  • どのくらい立位が保持できればいいのか?
  • ただ立っているだけでいいのか?
  • 歩行の安定性ってどのくらい向上すればいいか?
  • それはどんな場面で必要か?
  • 向上してどうなるのか?
  • 患者さんはどうしたいのか?

などが全く伝わりません。

詳細にゴール設定した場合は

「大腿骨頚部骨折術後の70台女性、調理ができるのが自分だけなので3ヶ月後の退院までに自宅で調理を受傷前と同じようにできるようになる」

のようになります。ポイントは5W1H(誰が、何を、なぜ、どこで、いつまでに、どうやって)を入れてみましょう。

2.設定したゴールの達成に必要な要素を細分化する

大腿骨頚部骨折術後の70台女性、調理ができるのが自分だけなので3ヶ月後の退院までに自宅で調理を受傷前と同じようにできるようになるを細分化してみます。

まず2つの要素に分けてみましょう

  1. 買い物に行く
  2. 自宅で調理する

さらにこれを細分化していきます。今回は「自宅で調理をする」を細分化してみましょう。

例えばカレーを作るとしたら

  1. 材料を洗う
  2. お米を研ぐ
  3. 包丁で切る
  4. 鍋に入れて炒める
  5. 水を入れる
  6. ルーを入れる
  7. 食器を用意する
  8. 盛り付ける
  9. 食卓に出す
  10. 食器、調理器具を洗う
  11. 食器、調理器具をしまう

といった行程に細分化されます。
さらにそれぞれの行程に必要な機能を細分化していきましょう。これを行程分析と言います。
行程分析についてはこちらのセミナーで詳しくお伝えしています>>>評価の抽出とスクリーニング検査法
DVDもあります>>>評価の抽出法

3.細分化した機能を評価してアプローチする

行程分析で細分化された機能を評価しアプローチします。

評価・アプローチのポイントは

  1. 動きやすい状態か?
  2. 意識して動かせるか?
  3. 無意識で使えるか?

評価のポイントは

  1. 動かしやすい状態かを評価するにはROMとMMT
  2. 意識して動かせるかを評価するには基本動作分析
  3. 無意識で使えるかを評価するにはADLの動作分析

それぞれ抽出された問題点に対して

  1. 関節モビライゼーション・筋膜のリリース・促通
  2. 運動療法
  3. ADL訓練

でアプローチします。

まとめ

今回は「ぼんやりとした臨床に一歩踏み出す方法」として、「ゴール設定からの逆算」をについてご紹介しました。

ゴール設定と逆算って療法士なら誰でもやっていることなんですが、大塚は曖昧なままやっていました。

先ほど挙げたポイントを意識してゴール設定から逆算することで「今やるべきこと」が明確になります。
僕のように臨床で不安を抱えている人もこのゴール設定からの逆算ではじめの一歩を踏み出せるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。

療法士活性化委員会 委員長
理学療法士 大塚 久

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