患者さんごとにアライメントが違くて混乱するそんなとき〜その2〜

患者さんごとにアライメントが違くて混乱するそんなとき〜その2〜

こんにちは、アライメント崩れているけど動ける人ってなんなの?って先週の記事で感じた療法士活性化委員会委員長理学療法士の大塚です。
理学療法士大塚久

前回はアライメントの見方と変化を出すための方法をお伝えしました。
>>>患者さんごとにアライメントが違くて混乱する

今回は、アライメントは整える必要があるの?ってお話です。

そもそもアライメントって?

アライメントとは

アライメントもしくはアラインメント: alignment)は、並べる、整列、比較などの意味。転じて以下の意味で使用する。

リハビリ的にまとめると要は「並び方」です。
リハビリの現場で求められる「アライメントの評価」とはこの“並び方”を評価します。

そもそもリハビリの目的は?

リハビリの目的は社会復帰。具体化すると日常生活が送れるようになること。そのための“動き方”を改善するのが目的です。

動き方を見るために行うのが動作分析ですね。

動き方を変化させるために“動き方”を評価する動作分析

動き方を変化させるために“並び方”を評価するアライメントの評価

どっちがより患者さんの問題点に早くたどりつけそうでしょうか?

例えば骨盤の前傾後傾

よくリハビリの現場で見られるアライメントの評価に「骨盤の全後傾の評価」があり、後傾していると良くない、前傾位がいいみたいなことを言われてると思います。
でも本当にそうでしょうか?

坐位をとる場合

よくいいと言われる骨盤前傾位の坐位。患者さんにはこの姿勢でいてくださいと指導すると思いますがそもそも自分はこの姿勢で過ごすことってどのくらいありますか?
例えば食事の場面でいうと料理を取ろうと手を伸ばす、遠くにある醤油を取るなどの動作の時に前傾、口に入れて咀嚼するときはいわゆる後傾位でいると思います。これは作業坐位と安静坐位という二つの坐位があり、目的によってどちらが適しているかを判断しています。詳しくはシーティングセミナーでお伝えしています。

前傾位にも後傾位にもどちらも“動ける”こと

要はアライメントは動作の目的によって適切な位置に変化します。なのでアライメントを評価したところでその時その時で変わりますしあまり意味がないかもしれません。大事なのは「どう動かせるか?」です。

姿勢がみれないと動作はみれないという幻想

僕もアライメントがみれないと動作はみれないと思っていました。でもアライメントがみれたところで動作はみれません。学生時代にこんな絵を描きませんでしたか?


これまさしくその時々のアライメントの絵ですよね?僕もこの絵を必死に書いて提出して動作分析の授業は赤点ではなかったですが、評価実習で行なった歩行の動作分析は「歩けてます」の1行でバイザーのモチベーションを強烈に低下させた覚えがあります。

この絵で大事なのはこの絵と絵の間に「どうやって動いたか?」が大事になります。
頭を動きたい方向に動かせたか?
体幹を前傾できたか、その時ふらつかなかったか?
脊柱は分節的に動いているか?
要は質的評価になります。

その動きができない原因を評価する

動作を見てその動作ができない原因を評価します。できない原因は1、関節の構造的に動かせないか、2、筋力が足りないか、3、そもそも動かし方が間違っているか?のどれかになります。

最後に

リハビリの目的は「アライメントの改善」ではありません。「動作を変化させる」ことです。そうなると必要な評価は動作の分析になります。アライメントはその動作の中の一部に過ぎず、もしかしたらそのアライメントは評価する必要はないのかもしれません。もちろんそのアライメントの評価が動作に結びついているなら必要だと思います。でも動作と結びつかないのであればそれはもしかしたら必要なのかもしれません。
まずはどんな動作をどうやっているか?動作分析から学んでみませんか?
>>>動作分析から見る問題点の抽出と評価・アプローチ法

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