理学療法士の大塚が学生時代から苦手だった「触診」と向き合った話

理学療法士の大塚が学生時代から苦手だった「触診」と向き合った話

こんにちは、まだまだ暑いですね、僕の住んでいる藤沢の鵠沼というところは海が近いせいもあって老いも若きも上半身裸で歩いている男性をよく見かけます。その度に「腹筋われてんな〜」とか「大胸筋見事だな」とか「あの上腕三頭筋はすごいな」とか職業病バリバリの療法士活性化委員会委員長の大塚です。

理学療法士大塚久

触診って療法士の中ではなくてはならないもの、今でこそ触診を教えていますが、学生時代から苦手だったものはと考えると真っ先に「触診」が思い浮かびました。患者さんに対しても大汗をかきながらさわれてるのかわからない手つきで対応する姿に周りの先輩療法士からはかなり心配されていたと思います。

様々な人の力を借りれたこともあり、今では触診に対する意識も変わってきました。そんな今、自分がどうやって触診の苦手を克服してきたかを振り返ってみたいと思います。

そもそもどうして触診が苦手なの?

触診が苦手という意識があるからには、その理由が絶対にあるはずです。
当時の僕がなぜ触診が苦手だったのかについて理由をまとめてみました。

・関節の構造や、筋肉の起始・停止、走行を覚えていない
→解剖学、運動学は赤点なのでそもそも構造なんて頭に入っていないですね。

・実際の相手は服を着ている
→参考書とかをみると触診部位が露出していたり、模型は骨そのものだっりして見えるんですが患者さんは服着てるから見えないんですよね

・どうにか触っても本当に目的の部位か確認できない
→なんとか頑張ってさわれたとしてもそれが確認の方法を知らないので結局触れてないのと一緒です。そして周りに確認してくれる先輩はいませんでした。

もう構造を理解していない時点でアウトですが、就職してからはお給料をもらって仕事をしてる以上、このままではいられません。さらには触ることができなければ効果的なアプローチができないどころか患者さんにも信用してもらえません。ここからはどうやって克服してきたか書いていきたいと思います。

まずは触る回数が多い部位から調べてみる

いきなり触診の勉強といっても全身は範囲が広すぎるし、途方もなく終わる気がしません。そこでまず臨床で触ることの多い筋肉の起始・停止・走行から調べ始めました。触りたいものの構造を調べようなんてほんと当たり前で、「そんなの知ってるよ」と思っていたのですが、実はよく知らないことがあったり、どんだけ適当に覚えてたんだと泣きそうになったのを覚えています。

調べるに当たって気をつけたのは本だけで終わらせず必ず模型を使ってテープを貼ってみたこと。本だけだと平面のイメージですが、実際の体は3D、幸い職場に骨模型が一体あったのでその骨模型がしばらくはお友達でした。

これだけでも頭の中で筋肉のイメージがつきやすくなり、触るときに自分が緊張しなくなりました。

同僚に協力してもらって触りまくろう

骨模型にテープを貼ったところで完璧になったわけではありません。まだ苦手意識は残っているのでなんとか克服していきたい、あわよくば得意になりたい。得意になる方法ってなんだろうっと考えた結果「とにかく触ろう!」と思いました。

そこから同僚や病院の看護師さん、事務さんの体を借りてとにかく触る練習をしました。

最初のうちは圧が強すぎて痛がられたり、骨模型と違って皮下組織が多かったり、逆に筋肉が少なくてよくわからなかかったりいろいろありましたが、触り続けることで相手に合わせた圧の強さ人によって違う筋の厚みや大きさがわかるようになってきました。

そしてこれは本当に偶然なんですが、触るときに黙って触ることはほとんどありません、相手と会話しながら触ることで自然とコミュニケーションも上手く取れるようになってきました。

最初はできなくて当然、できるようになるまで地道に頑張ろう。

いかがでしょうか?苦手だった触診を克服するまでの過程を書いてみました。苦手なものほどなぜ苦手なのか?の分析と、触る前の準備が大切と学びました。また苦手なものほど地道にコツコツやる必要があります、それは一人でやり続けるには相当の時間と根気が必要になります。なので周りの人の助けを借りるのも選択肢の一つ。積極的に周りを巻き込んで練習してみてください。

触診は毎日行うものだけに本当ちょっとしたことで抜群に上達してきます。苦手な人の少しでも役に立てたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう。あなたならきっとできます。だって赤点ばっかだった僕でもできたんだから。

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